書籍「映画音楽」 青木啓、日野康一著

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 1969年12月20日発行。そのものズバリの本のタイトルなのですが、それだけその中身の質に自信があったことの表れということですかね。それはともかく、要するに全編映画音楽に関する内容であり、表紙の帯に「この本は映画音楽の楽しいエンサイクロペディアです。」と記載されているように、字引のような体裁になっています。もっとも、対象作品が260本と、昭和9年から44年までというくくりであっても、本邦公開された映画の数からいうとごく一部ですから、「百科事典」を標榜するのはいささか大袈裟かな。とはいうものの、この260本の選択の仕方はなかなかに味があり、さらには付録内容も特に「サウンドトラック白書」などは、なんとなくわかってはいたものの、それがまざまざと活字になったという記事で、ある意味溜飲の下がる思いもできました。
 で、選択された作品の音楽がどのように紹介されているかというと、1作品につき1ページを使用し、作品そのものと、その音楽の簡単な紹介がされているのですが、特筆すべきは主題歌のあるものはその訳詞の一部を記していることで、それが260本全部ではないですが、かなりの数の作品についてなされているというのは、いかにこの著書が労作であったのかが伺えます。サンプルとして、『カサブランカ』『卒業』『太陽がいっぱい』のページを、4~6番目の画像に掲げました。あと、掲載されていたカラー口絵の中から、リズ・テイラーのプロフィールが美しい『いそしぎ』とモニカ・ビッティが魅惑的だった『太陽はひとりぼっち」の写真を7、及び8番目の画像に掲げました。あとついでですから、『カサブランカ』の主題歌『時のすぎゆくままに』の動画も貼り付けておきます。
#サントラ #映画音楽 #青木啓 #日野康一 #淀川長治 #カサブランカ #卒業 #太陽がいっぱい #いそしぎ #太陽はひとりぼっち 
https://www.youtube.com/watch?v=GGxAOtNe9iQ

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