Ductina(Illaenula) vietnamila

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三葉虫コレクターが軽視するけど、実は謎の産地は幾つかあると思いますが、本種も該当するのではないでしょうか。ドイツなどで産出する事で知られる眼の無いファコプスDuctina、小さくて地味で安価なので、意外とベテランコレクターでも所有していない方もいる筈です。近年はIllaenula(Illaenusと紛らわしいが)と呼ばれる事が多くなったり、昔からのD.vietnamicaも混在するなど混乱する状況も見えます。小種名からベトナムと関連するか、ベトナムで近縁種が産出する可能性もあるのかもしれませんが、詳細は分かりませんでした。中国では数少ないデボン紀の三葉虫産地で、市場では本種位しか見かけませんが、Cyphaspidesや眼のあるPhacopsなど三葉虫の種類は知られています。

(中国名:越南沟通虫)

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    tatsutoy

    2022/02/03 - 編集済み

    解説は星5級の難易度ですね。ベトナムハノイ北東のバックカン省には古生代地層があり、中でもデボン紀のMia Le層からはダクティナを含む三葉虫化石が見つかるとの事です。バックカン省のすぐ東側が広西チワン族自治区になるので、恐らく、ダクティナの名称が中国で見つかる化石にも用いられたのではないかと推測します。

    バックカン省の地層
    https://www.academia.edu/29941337/Silurian_and_Devonian_in_Vietnam_Stratigraphy_and_facies

    バックカン省で見つかる化石一覧
    https://www.mindat.org/paleo_loc.php?id=69501#REF27952

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      Trilobites

      2022/02/03

      やはり本家がいたのですね。朝鮮半島で産出するRadlichia chinensi みたいな感じですね。Ductina以外の産出種も広西チワン族自治州と同等なので、両者は今は国境を隔てていますが、地質的に同じなのが理解出来ました。コレクターとしては本家ベトナム産が欲しくなってきましたが、私が知り限り、この20年で見掛けた記憶がありません。

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