- Trilobites Museum
- 2F Ordovician period
- Hoekaspis matacensis
Hoekaspis matacensis
大きなノジュールから産出するボリビア産のアサフス。昔は比較的流通し当時は価格も高くはなかったので、コレクターにも軽視しがちと感じます。近年は新規採掘の標本はありません。1種類だけの様に見えますが、混同しているだけで数種類いるとされ、H.megacanthaなど幾つかの種が市場でも見られます。ただ資料的な情報が無く産地も含め謎が多いため、正解が分からない状況です。この標本は、供給元によれば古いコレクションからの放出品であり、この地からは珍しい頬棘がしっかり残る個体です。元々頬棘があるのが普通なのか、他に多く出回る頬棘が無い種類は別種なのか判断はつきません。
【標本リンク】FossilEra
https://www.fossilera.com/fossils/3-5-hoekaspis-trilobite-bolivia--2
trilobite.person (orm)
2021/03/19この種、自然史博物館にいくと、結構な確率で古い三葉虫標本の中に紛れている事が多い気がします。化石を触ってみようコーナーなどでも、ちょくちょく本種が置いてありますね。昔流通量が多かった故でしょうかね。
ぱっと見、普段見慣れてる(という程見慣れた種でもないですが)Hoekaspisと比較すると、この標本はなんか印象が違うと感じましたが、頬棘アリの標本だからなんですね。それにしても、数種類混じってるとは全く気がつきませんでした。
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Trilobites
2021/03/20カブトガニ博物館など、確かに触れられる三葉虫標本として陳列されていますね。硬質で棘等の突起物が無いので、何百人に触れられようが、子供の様に少々気がね無く接しようが、劣化のスピードも遅く、ある程度の大きさや購入原価が安かったと要件を満たしている種類だったと思います。
よく見る個体は、頬棘が無く体もスマートな体型に思えるので、厳密には別種なんだろうなとは感じています。
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tatsutoy
2021/06/30 - 編集済み情報提供です。中央アンデスから南アンデスにかけて古生代地層が広がっています。ボリビア南部ハイランド辺りからアルゼンチン北部やチリ、アタカマ砂漠辺りに、カンブリア紀ーオルドビス紀地層が点在し、三葉虫化石が見つかります。このため、アルゼンチンの三葉虫資料で代用が可能です。そこで、三葉虫資料といえばカンザス大学です。1957年にアルゼンチンのオルドビス紀三葉虫という素晴らしい文献を出しています。これでHoekaspisの情報もカバー出来ます。(カンザス大学のリンクでダウンロード可)https://kuscholarworks.ku.edu/handle/1808/3894更にすごいのは、この地域の研究はかつて日本がリードしており、1937年の東京大學理學部紀要第四冊第四篇374-515, The Cambro-Ordovician Shelly Faunas of South AmericaにH.matacensisの情報があります。この時代にどうやって調べたのでしょうね。
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Trilobites
2021/06/30情報ありがとうございます。Ordovician Trilobites of Argentinaは蔵書してましたので、改めて見返してみますとH.megacanthaは尾部まで達する頬棘があるので、H.matacensisとは違うと分かりますね。1937年(昭和12年)には既に知られる存在だったのですね。ずっと後世に輸出されていたと思っていましたが、それ以前に地球の裏側の三葉虫が輸出されていたとは。そんな情報を得るtatsutoyさんにも驚きですが。
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tatsutoy
2021/07/02いえいえ。ところで、この東大資料ですが、Page496-497にかけて新種として、H.matacensisとH.mesopsが記載されていました。ただ、標本が部分化石で、一体どうやって鑑別したのか、と思うくらいの資料でした。Trilobiteさんの標本こそタイプ標本にしたら良いのに、と感じました。
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Trilobites
2021/07/02 - 編集済みやはり研究者は凄いなと改めて思いますね。本産地標本は、細かい保存が決して良いとは言えませんし、部分化石で特徴を比較して、違いを明確にして、あらゆるデータと照合し、論文英語で記載する、PCやネットも無かった時代に根気のいる作業、私には不可能です。
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