センターベントとは?

スーツやジャケットなどの後身頃、背中側の裾部分に切れ込みが入っている仕様のこと。乗馬をする際に引っかかったりしないよう、窮屈さの解消と動きやすさを考えて作られたデザインが発祥とされ、「馬乗り」とも呼ばれる。
センターベントの仲間として、切れ込みの一番上がカギ型になった、主にアイビースタイルなどに良くみる「フックベント」というものもある。一方で、英国製のスーツやジャケットによく見かけられる後身頃両サイドに切れ込みを入れた仕様のことを「サイドベンツ」と呼ぶ。腰に剣を差していた名残りのデザインと言われ、「剣吊り」とも呼ばれる。

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普段着る服や服装にどこか満足していない、もう一歩先に進んでみたいと感じている方、クラシッククロージングの世界をちょっと覗いてみませんか?

「着こなしは少しカジュアルですが、スーツは女性のクラシッククロージングになり得ると思います」というのは、以前【日本の実力派テーラーを巡る】でも取材させていただいたビスポークテーラー SHEETSの森田智さん。ミューゼオではお馴染みのファッションですが、女性にとってはあまり見慣れないかもしれません。

当連載では、クラシッククロージングの中でもレディスのオーダースーツとジャケットにフォーカスし、オーダーの基礎からテーラーの視点ならではのマニアックなコツまで3回(予定)にわけて森田さんに教えてもらいます。

まずは、レディススーツの原点から現在までの流れとともに、オーダー(手で作りあげられた)スーツと既製品の違いやそれぞれの魅力についてお届けします。スーツやジャケットが全てクラシッククロージングかと言うと、どうやらそうではないようです。ポイントは、中身と過程。