- guhehehompodasu Museum
- 1F モロッコの三葉虫
- Quadrops flexuosa
Quadrops flexuosa
十数年前初めてこの三葉虫を見た時、そのあまりのカッコ良さと悍ましさに感動した記憶があります
俗に言うワリセロプスタイプの三葉虫。しかしその見た目はワリセロプスに似ていながら異彩を放っており特に
四又の突起とまるでムカデの足を思わせる棘は、本種の特異さを特徴する装備。おまけに背中に棘頭部に棘とげトゲ...。全身という全身にトゲを付けましたと言わんばかりの全身はイカつさ半端なく、死して石になって尚迫力を放ち続けています
本種は湾曲した状態で見つかる事が多く、特徴的な突起は砂を掘る為に役立てられていたと推測されます。棘は言わずもがな外敵からの防御用でしょう。単に守るだけならシンプルに真っ直ぐな棘で良い気がしますが、後方に曲がっているのが興味深い。後方がお留守になりがちかと最初思いましたが、後ろも見える複眼の構造をしており、本種に死角はないでも後ろにも隙なし。よっぽど背後が気になったのでしょうか
この神経質さが功を奏したのか亜種が発掘されており、四又ではなくただのヘラと化した種や、より突起が鋭くなった種をこの目で確認しています。本種はその生物離れした見た目から非常に人気が高く、常に高値がつく高級三葉虫ですが、完全体として採掘される数が非常に少なく、同じワリセロプスのショート、ロング、ハミィタイプが時折出品されるのに対し、新しいクアドロプスが出品されたのを最後に見たのは一年前。生物として絶滅し次は化石として絶滅しかける。前人未到の地を開拓すればまだ見つかる...かもしれない。かもしれないとしか言えないのが、希少三葉虫全般の悩みの種なのではないでしょうか