車骨鉱を伴う金銀鉱石 (gold-silver ore with bournonite) 鈴庫鉱山 #0316

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鈴庫鉱山で産出する硫化鉱物には車骨鉱(bournonite)とブーランジェ鉱(boulangerite)の2種類のアンチモン鉱物が含まれます。銅を含む車骨鉱は黄銅鉱と共生する傾向があり、本標本では明確な結晶形を示さない銀鉛色の部分に車骨鉱が存在します(矢印部分)。

甲州市北部の鈴庫山(標高1,600m)の山頂南西1.4kmの沢沿いに位置し、武田信玄時代に金山として開発され、明治~昭和20年代にかけて断続的に金銀鉱が採掘されました。鉱床は徳和花崗岩中の中低温生成のペグマタイト性石英脈で、硫砒鉄鉱のほか、黄銅鉱、方鉛鉱、閃亜鉛鉱、ブーランジェ鉱、車骨鉱、輝銀鉱、自然金などを産出しました。

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