ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番(クロイツエルソナタ)/ 第2番 (内緒の手紙)IntimatesPages スメタナSQ

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ヤナーチェク/弦楽四重奏曲第1番(クロイツエル・ソナタ)

 第1楽章 アダージオ.コン モート
 第2楽章 コン モート
 第3楽章 コン モートーヴィヴァーチェ―アンダンテ
 第4楽章 コン モートーアダージオ-マエストーソーピゥ モッソ、フェローチェ(荒々しく)

https://youtu.be/fciQB50qA-o?si=p_EU5ltOzopIvpDy

      /弦楽四重奏曲第2番(内緒の手紙)

 第1楽章 アンダンテ-コン モートーアレグロ
 第2楽章 アダージオ-ヴィヴァーチェ
 第3楽章 モデラート-アダージオ-アレグロ
 第4楽章 アレグロ―アンダンテ-アダージオ

スメタナ弦楽四重奏団

以前レコードで所持していたものとはジャケットの絵柄が違うが、こちらは再発売らしい。PCM録音

第2番の内緒の手紙については、Labの備忘録に載せたのでそちら参照。

https://muuseo.com/Mineosaurus/diaries/134

「クロイツェル・ソナタ」というニックネームで呼ばれるのはベートーヴェンの有名なヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」にインスピレーションを得たと信じていたが、あまりにも曲調が異なるので「これは違うな」と感じていた。
調べてみたら、同じクロイツエルでも、文学の方だった。あの『されど我汝らに告げん…』から始まるマタイ伝第5章28節から始まるトルストイの「クロイツェルソナタ」の全28話が曲の元になっているということだ。こういうところがライナーノーツを見ないで書くときに陥るミスだね。

ただ、ミスというよりは、ベートーヴェンのクロイツェルソナタの旋律が、物語の主人公の屈折してゆく心の動きの中でどんな風に変容して聴こえるかをイメージし、トルストイの描写に重ねられ、音化されるとき、ヤナーチェクの本当の意図が生まれると言い直した方がいいのかもしれない。
短絡的なインスピレーション=参考的な意味合いとは全く異なる作業だね。

クロイツェルソナタ全28話はちょっとホラーっぽい。ドロドロした物語がつづられる。それを読む作業が一番確実な作品の理解かなとは思うが、ベートーヴェンのクロイツェル・ソナタを弾く話も出てくることから考えれば、人の感情が例えばこの物語のように自分の妻とヴァイオリニストの浮気に嫉妬心を駆り立てる登場人物の耳に聴こえるベートーヴェンのヴァイオリンソナタはどろどろとしたものに聴こえたのだと、そういうイメージに塗り替える意味ではベートーヴェンの作品にインスピレーションを得たということも間違いではないと思う。
でも、例えば、ラヴェルの『夜のガスパール』を聴くためにベルトランの詩を一読する人がどれだけいる?

それを当然の前提としてやってるのは、プロの音楽家やそのプロの音楽家の意図をピンポイントで指摘できる感性と哲学を持った真の評論家ではないか。

爺はその入り口のところでなーんとなく感じるけれど、めんどくさくなるのです。

参考にしたスメタナSQ  の演奏は第1番第2番が入っています。(こんなの続けて2曲も聴けないやね。)

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