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DVD「ジェニーの肖像」
1947年製作、1951年公開。おそらく今回のアイテム展示以外にこの作品に触れる機会はないと思われますので、この稿は少し長くなりますが御容赦を。まずはあらすじ;
「1938年の冬、貧しい画家のイーベン・アダムス(ジョセフ・コットン)はセントラル・パークでジェニーと名乗る少女(ジェニファー・ジョーンズ)と出合った。彼の描いた少女のスケッチは画商のマシューズ(セシル・ケラウェイ)やスピニー嬢(エセル・バリモア)の気に入り、彼もようやく芽が出かけた。公園のスケート・リンクで再びジェニーに出合ったアダムスは、彼女が暫くの間ににわかに美しく成長したのにうたれ、早速その肖像画を描く事を約束した。約束の日彼女は来ず、彼女の両親がいるという劇場を訪ねたアダムスは、その劇場が既に数年前に潰れて当時からジェニーは尼僧院に入れられていることを知った。数ケ月後、消息不明だったジェニーは、成熟した女性になって突然アダムスの画室に現れた。彼は直ちに肖像画制作にかかるが、未完成のまま彼女は姿を消してしまった。しかしモデル不在のまま完成したその肖像画は非常な評判となり、アダムスは一躍画壇の寵児となった。ジェニーを求めて尼僧院を訪れたアダムスは、彼女が1920年ニュー・イングランドを襲った津波で溺死したことを聞いた。彼はすぐさま現場の岬へかけつけねボートを漕ぎ出したが、彼のボートも猛烈な暴風で叩き潰された。命からがら崖にはい上った彼はジェニーのボートが近づいて来るのを発見し、夢中で救い上げたが、襲いかかった波は二人を呑みこんでしまった。アダムスが覚醒した時、周囲の人々は誰ひとりとしてジェニーを知らなかった。彼女は、ただアダムスの心の中だけに永久に生きている女性なのであった。」(KINENOTEより)
本展示アイテム収録作はロバート・ネイサンの同名の小説の映画化で、一言でいえば「時空を超えたラブ・ファンタジー」ですかね。そういう意味では他フロアにDVDを展示した『ある日どこかで』や近年大ヒットした新海誠監督作『君の名は。』の原点と言えるのかもしれません。
さて、スタッフ・キャストについて。ウィリアム・ディターレ監督の作品は本作と『旅愁』しか観たことがないので深く語ることはできませんが、この2作からだけでも演出のテクニックの引き出しの多さが垣間見えたような気がしました。そういう意味では、晩年の不遇は今考えても残念でした。音楽はディミトリ・ティオムキンなのですが、全篇を彩るのはクロード・ドビュッシーの『亜麻色の髪の乙女』を様々にアレンジした旋律で、映像の幻想的な雰囲気を盛り上げるのに非常に効果的でした。ジョセフ・コットンにとっては『第三の男』の前作であり、彼のキャリアの最盛期を実感させる演技でした。そして、ジェニファー・ジョーンズですが…。私が最初に観たのは『タワーリング・インフェルノ』でフレッド・アステア扮する詐欺師の餌食になりかける中年オバサンの役で、でしたが、正直印象に残っておらず、実質的には『慕情』のヒロイン役ですかね。もっとも、その撮影時はすでに三十路半ばで、本作ではもっと若い時の容姿が見られるはずでしたから、そのつもりで臨んだのですが、後半の大人になってからの場面はそれなりに美人女優という感じではありましたが、少女時代の姿ははっきり言って興ざめしましたね。思い切って、別の子役を起用した方がよかった気もしますが、そうもいかなかったのでしょう。
と、何だかんだ言わせて頂きましたが、その評価はともかくとして個人的には好きな作品で、前述の『君の名は。』が話題になったときには、もしかしたら再注目されるかも、と淡い期待もしたのですが、そうは都合よくはいきませんでした。
最後に、この小ネタは以前どこかでコメントしたのですが、もう一度紹介させてもらいます。1982年公開の映画『愛と青春の旅だち』の同名の主題歌『愛と青春の旅だち(Up Where We Belong)』を歌ったのはジョー・コッカー&ジェニファー・ウォーンズなのですが、この頃ラジオ番組などでこの曲を紹介する際にDJやパーソナリティが「ウォーンズ」というべきところを「ジョーンズ」と言ってしまっていたことを数度聞いたことがありました。その方々にとっては「ジェニファー」というと「ジョーンズ」だったのでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=rKPEHkVjikM
#DVD #ジェニーの肖像 #ロバート・ネイサン #ウィリアム・ディターレ #ディミトリ・ティオムキン #クロード・ドビュッシー #ジェニファー・ジョーンズ #ジョセフ・コットン #エセル・バリモア #セシル・ケラウェイ #リリアン・ギッシュ
woodstein
2020/05/13(full movie)字幕付きです。
https://www.youtube.com/watch?v=gZfWTj7hMQ0
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kazuhiroちゃん
2021/05/12 - 編集済みこちらの映画見ました🎵
時空を超えた愛の物語とても不思議な映画でした。
主演女優のジェニファージョーンズは、日本では慕情の方が有名ですね。
慕情の方を先に見ていたので、印象がかなり違う事に驚きました。
しかしながら映画を見ていると不思議な魅力があり、何回も見ました。映画に使われている音楽も不安な感じや、また、幻想的なシーン等個人的ですが良かったです。
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woodstein
2021/06/05kazuhiroちゃんさん、コメント有難うございます。返事が遅くなり申し訳ありませんでした。ご意見、ご感想、まったく同感です。私も本作は繰り返し観てしまう作品の一つで、DVDは座右に配置しています。
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kazuhiroちゃん
2021/06/05こんばんは❗本当にそうなんです。私的に大好きな映画のひとつですね❗
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