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- 14F 映像ソフト 英語圏60~80年代製作映画
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DVD「フェーム 特別版」
音楽に関しては、サントラ盤CDを展示する際に、またストーリーその他についてはパンフレットなどを展示する際に述べさせて頂き、ここでは私の思う本作の魅力について述べていきます。
以前、「モノ日記」で少し触れたことはありますが、1981年の正月興行の中では最も印象深く、その後、いわゆる青春群像劇が好きになったきっかけとなったのが本展示アイテム収録作『フェーム』でした。もちろん、80年代の青春群像映画というと『アウトサイダー』『ランブルフィッシュ』『セント・エルモス・ファイアー』『ブレックファスト・クラブ』などが思い出されますし、それぞれ濃淡こそあれ思い入れもありますが、やはり『フェーム』を超えるインパクトの作品はありませんでした。まあ、強いて挙げれば1991年製作の『ザ・コミットメンツ』がありますが、この作品の監督はアラン・パーカー、つまり『フェーム』と同じ人物です。
その『フェーム』『ザ・コミットメンツ』に共通するのは、主要登場人物たちがその当時無名の存在であり、さらに言えばその後もほぼ無名の存在のままだった、ということでしょう。ですので、もちろん実際には演出が加えられているのですが、あたかも実録物のような感覚で両作とも観てしまっていました。ただ、いわゆる「ドキュメンタリー・タッチ」という感じではないかな。ドキュメンタリーというと、それなりに客観的な視点をもって撮影する側面があるわけですが、上記の2作品では撮影側からの登場人物への、少し大袈裟に言えば愛情が伝わってくるようで、そのあたりが「ドキュメンタリー・タッチ」とは一線を画する、アラン・パーカー特有の撮影・演出技術だったと思い込んでいます。それは、あるいくつかのシーンが特にドラマティックで感動的である、という作りではなく、それだけ見るとありきたりと思われるシーンが幾重にも繰り広げられ、最後にそれらの積み重ねがとても愛おしくなる、という映像表現の効果がひしひしと伝わるものでした。
https://www.youtube.com/watch?v=gUepLHaY760
#DVD #フェーム #アラン・パーカー #マイケル・ゴア #アイリーン・キャラ
recopan
2020/05/05『ザ・コミットメンツ』良い映画ですよね。ただ公開当時に観てなくて、後から観たのでそういう意味では、『セント・エルモス・ファイアー』の方がリアルタイムで観た分、映画がどうというより個人的には印象は強いです。またアラン・パーカー作品では、『ミッドナイト・エクスプレス』はトラウマなるほどインパクトがありました。おっしゃられる遠り、アラン・パーカーはドキュメンタリー的な題材をうまくドラマ仕立てにされる監督だと思います。
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woodstein
2020/05/07この欄にコメントをくださったことで、改めてrecopanさんの『フェーム』愛が窺えました。さて、『ザ・コミットメンツ』に関してはいずれサントラ盤を展示する際に述べる予定ですが、とにかく個々の人物描写が巧みで、それを土台として披露される数々の楽曲がまた魅力的であるという、まさに『フェーム』での演出の延長線上の作品でした。アラン・パーカー監督は、例示された『ミッドナイト・エクスプレス』を初めとして、他にもバラエティに富む諸作品を製作していますが、そのどれもが何かすっきりした終わり方をしていないように感じられ、そこがまた興味深いところでもあります。
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