キートンの恋愛三代記

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 本展示アイテムの表題とは別に『滑稽恋愛三代記』というタイトルを持つ本収録作は、バスター・キートンが初めて監督・脚本・製作を務めた長編映画で、石器時代、古代ローマ時代、及び現代(狂騒の1920年代)の三時代を通じてキートン演じる小男を初めとした面々が同じ顔ぶれで出演し、『イントレランス』式に三時代の物語をカット・バックで見せています。つまり映画『イントレランス』の影響を受けたわけですが、のちの映画に影響を与えた側面もあるようで、映画『ベン・ハー』の戦車競走のシーン、映画『プロジェクトA』のジャッキー・チェンがビルからビルへ飛び移ろうとする一連のアクションシーンなどが挙げられます。
 そんな蘊蓄のようなエピソードを前段で述べましたが、それはそれとして気に入らないのが本展示アイテムの収録時間で、47分しかありません。『キートンの恋愛三代記』をネット検索して調べると本編時間は63分となっており、著作権フリーの本編画像も63分のものが流布されています。本展示アイテムが出版された20年位前頃はまだ47分版しか存在していなかったので致し方なかったのかもしれませんが、その後の経過により63分にまで伸長されたのならば、その成果を披露すべく修復版を映像ソフト化すべきではないのか。どうもこの時点まで日本でそのことがなされた形跡がないのが残念なのですが、だからといって新たな日本語字幕の追加制作などそれなりの労力を尽くして出版にこぎつけたとしても、なかなか黒字には結び付きにくいのは容易に想像できるわけで、実現化できないのもやむを得ないのかもしれません。ということで、ここでは修復・補完画像を提示しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=i8nTNcBIHN4
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