カンサス騎兵隊

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 歴史上の人物を題材にして映画化するのはよくあることで、それが史実に忠実であるかどうかはよく問われるところです。まあ、実際の出来事が劇的であるなんてことが頻繁に起こることなどありえないわけで、それらの事象をドラマチックに見せる時点で史実ではなく、またそもそも細かな事実を正確に再現するなど不可能なことですから、史実に忠実か否かの議論は、不毛といってもいいかもしれません。ですが、小説にしろ、映画にしろ、漫画にしろ、その内容を理解することで歴史の流れや細かい知識などを吸収できるのは、決して無意味ではありません。教科書や年表などで理解するよりよほど容易かつ楽しいわけですから。そのような効用を映画等に求めるならば、やはり踏み越えてはならない一線というものはあるわけで、例えば、J・E・B・スチュアートとジョージ・アームストロング・カスターという、のちにゲティスバーグの戦いで相対する両者がウェストポイント陸軍士官学校で学んだことは事実であるもの、それが共に1854年のことであり、しかも堅い友人であったという設定には、無理があるようです。この映画は多くの歴史的不正確性のために悪評を被ったそうですが、要するに一線を踏み越えてしまったのでしょうね。
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