第五次発行10銭青色:Grayish Blue貼り証書 / 5th Issue 10 Sen Blue: Grayish Blue on document

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第五次発行10銭青色は、10銭印紙の中では最も普通に見られるものであるが、Grayish Blueという、灰色味の強い、ぱっとしない刷色のものは格段に少なく、このコレクションルームで刷色の説明をした際にも、「証書貼りはおろかペアすら所有していない」と紹介していた。

今回、縁あって、Grayish Blue貼り、しかも横ストリップ6枚が貼られた証書を入手することができた。

明治15年9月付、金高700円の第百三十九国立銀行の借用証書なので、本来ならば税高70銭のところ、10銭不足している。
一枚脱落かと思ったが痕跡がなく、銀行なのに何故このような過小申告が通ったのかは謎。

税高の不整合に加えて、証書の状態もあまり芳しいとは言えないのだが、第五次発行10銭Grayish Blue貼りの証書として実に貴重な一品であり、長年追い求めていたものであることも踏まえ、星5つとした。

証書の状態が悪いので、貼られている印紙も他の色調のものが色褪せたという可能性も考えられたが、画像3枚目からわかるように目打11であることから、Grayish Blueで間違い無いと判断した。

第五次発行1銭黒色でも、明治13, 14年に出現するGrayish Brownという刷色は茶色味を帯びた淡い灰色で、10銭のGrayish Blueと何となく共通した雰囲気がある。
加えて、1銭Grayish Brownと10銭Grayish Blueのみに目打11が存在することから、両者は明治13, 14年ごろに一時的に製造されたもので、インクの材料の調製にも何らかの共通点があったのではないかと推察している。

手彫証券印紙はまだまだ奥が深い!

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