第三次発行5銭茶褐色: 第二次発行(和紙/ルーレット)との同一ポジション / 3rd Issue 5 Sen brown; identical position to 2nd Issue 5 Sen

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第三次発行5銭茶褐色の幾つかの版は、その前のシリーズである第二次発行(和紙/ルーレット)の版を流用したことが分かっており、古屋(2011)によると、6つの版(Plate I, VII, VIII, IX, X, XIV)で流用されたとのことである。したがって、第二次発行5銭と第三次発行5銭の同一ポジションの印紙を並べることが可能であり、ここでは、Plate I(と思しき)ものについて2例を紹介する。いずれも左側が第二次発行、右側が第三次発行。PC上で画像を重ねて詳細な文様の一致度を確認し、同一ポジションであることが立証されている。

版が流用された理由は明らかではないが、第二次発行の時代に印刷されたが(ルーレット)目打が施されていなかった印刷済みシートがたくさんあって、それを導入された穿孔目打機を使って目打を施した、という考え方もある。この考え方によると、5銭印紙に限らず、第二次と第三次とで共通する版を持つものは、第二次発行の中では後期であり、第三次発行の中では前期にあたる、という整理も可能かも知れない(証書貼りの例を集めて、使用時期からこのようなことが言えれば面白いのであるが)。

まだまだ調査/研究の余地がふんだんにあるのも手彫證券印紙の面白さの一つであろう。

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