第三次発行5銭茶褐色:下額面"5"玉落ちエラー (第9版)/ 3rd Issue 5 Sen brown: lower value inscription "5" missing blob (Plate 9)

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下額面の"5"の最後の玉が落ちているエラー。画像2枚目はエラーの解説。このエラーは、第二次発行5銭茶褐色(和紙、ルーレット)では

・古屋カタログ(2011)では第9版、第11版、第14版の下額面"5"玉落ち、
・長谷川カタログ(2016)では定常変種番号11-4、

としてそれぞれ収録されているが、和紙目打の第三次発行では未記載である。

当初は単片のみを所有していたところ、画像3枚目に示すとおり、このエラー印紙を含む2x2ブロック(田型)を入手することができ、改めて定常変種であることが立証された。

印面の特徴から、両カタログにて図示されているエラー印紙とこの印紙は同一ポジションのものであると判断できるので、同じ原版が第二次と第三次の両方で使われている証拠になる貴重な一枚。

[2023/10/21追記] その後の第三次発行5銭の版別研究、特に2x2ブロックの印紙の印面紋様特徴の分析により、この印紙は第三次発行でも第9版として分類するのが適当であることがわかった。
これは、上述した古屋カタログにおける第二次発行5銭茶褐色の版別とも合致し、かつ、第9版で第二次発行-第三次発行で原版が流用されたこととも合致する。さらに、この印紙のシート上のポジションはPos.14から17、Pos.24から27、もしくはPos.34から37の12ポジションのうちの一つというところまで絞り込むことができている。

[2023/10/22追記] 第三次5銭と第二次5銭との同一ポジションを探していたところ、このエラー印紙を含む2x2ブロック(画像3枚目)の、左下の印紙と同一ポジションで、第二次5銭印紙で下耳紙付きの単片を発見した。すなわちこの2x2ブロックは(5行10列の)シート下部の2行で、このエラー印紙はシートの上から4行目(Pos. 31-40)に位置することになる。10/21時点での分析と合わせると、この印紙は、Pos. 34からPos. 37の4ポジションのいずれかに絞り込むことができた。手彫ならではのポジショニングの楽しみであり、また、ポジショニングの重要性を示す好例であろう。

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