NADAとは?

NADA(The New Art Dealers Alliance)は、2002年に設立された現代アートの育成、支援、発展を目的とした非営利のアートアソシエーション。大きなギャラリーから小さなアートスペース、非営利団体、商業団体に至るまで、アート業界の様々な点において建設的な思考と対話を育むことにより、変化をもたらすことを目的としている。
これまでに、アートフェアをマイアミ、ニューヨーク、シカゴで開催するほか、アーティストトークやギャラリーウォーク、会員限定のセミナー、パネルディスカッションを開催してきた。
NADAが主催するアートフェアは、若手から大御所まで様々な形態のギャラリーが参加している。

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座談会「これだけは言わせて、日本の現代アート事情」_image

座談会「これだけは言わせて、日本の現代アート事情」

2008年春。活気あるビジネス街丸の内で、次世代を担う7つの若手ギャラリーによる展覧会が開催された。ニュートーキョーコンテンポラリーズと名付けられたそのイベントは好評を博し、同名のアソシエイションとして発足。東京のアートシーンの活性化を目指して活動した。

当時次世代として位置づけられたギャラリーもキャリアを積み重ね、現在はArt BaselやNADA Miamiなどの世界の名だたるアートフェアに出展し存在感を発揮している。1990年代に日本で現代アートの土壌を作ったギャラリストを第一世代とし、彼ら彼女らを第二世代とするならば、さらにその下の第三世代ともいえるギャラリストも出てきている。

今回、ニュートーキョーコンテンポラリーズで活動していた無人島プロダクションの藤城里香さん、青山|目黒の青山秀樹さん、MISAKO & ROSENのローゼン美沙子さん、ローゼン・ジェフリーさんによる座談会を企画。本連載「What is 現代アート!?」モデレーターの深野一朗とともに、日本の現代アート事情ついてざっくばらんにお話してもらった。

ビデオアーティストCOBRAの原点回帰「言葉で説明できないもの」_image

ビデオアーティストCOBRAの原点回帰「言葉で説明できないもの」

ごく普通の世間的主題や美術史を軽妙に取り入れた映像作品を多く発表しているCOBRAさん。アーティスト・ラン・スペース「XYZ collective」のディレクターとしてその名を耳にしたことがある人も多いのではないだろうか

シュールでユーモア溢れる作品は、鑑賞者をたちまちCOBRAワールドへと引きずりこむ。そのインパクトは日本を飛び越え海外にも伝播し、ニューヨークやチューリッヒのギャラリーでも展示をおこなっている。

直近ではMISAKO & ROSENで加賀美健さんとの二人展「Romantic Comedy」を開催。「アクション」「パフォーマンス」といった美術の形式を取り入れた作品を発表した。近年はアートフェアに囚われるコレクターを揶揄する作品を作るなど批評性にも磨きがかかる。そんなCOBRAさんに今後の展望を尋ねると「原点回帰」と語ってくれた。

COBRAさんの「原点」とはどこにあるのだろう。新たなスタートラインに立とうとしているCOBRAさんに、本企画モデレーターでアート コレクターの深野一朗さんが質問をぶつけた。

Brand in-depth 第3回 MISAKO & ROSENが理想とする「利益=成功に囚われないギャラリー」_image

Brand in-depth 第3回 MISAKO & ROSENが理想とする「利益=成功に囚われないギャラリー」

近年、誰それの作品がいくらで落札されたというニュースを耳にする機会が増えた。「予想落札価格を大幅に更新」、「史上最高の売上を達成」といった派手な見出しが躍り、今年5月にもアンディ・ウォーホルの代表作『ショット・セージブルー・マリリン』が約253億円で落札され、20世紀に制作されたアート作品では史上最高額となる落札価格だと話題を集めた。

アート市場が活況を呈しているのは事実だ。2021年の世界美術品市場の規模は約7兆9800億円とも言われ、新型コロナウイルス感染が拡大する以前の規模を上回っている。

そんななか、理想とするのは「利益=成功」という概念に囚われないギャラリーだ、と言うギャラリストがいる。夫婦で現代美術のギャラリー「MISAKO & ROSEN」を営むローゼン美沙子さんとジェフリー・ローゼンさんである。これまで「NADA Miami」や「Frieze Art Fair」、「Art Basel香港」などの海外アートフェアへ積極的に参加しながら国内外のアーティストを発信してきた。アーティストとマーケットの間に立つ彼らはどんな思いで活動しているのか? リチャード・オードリッチの作品に囲まれた空間で、ミューゼオ・スクエア編集長の成松が話を聞いた。

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日本にもアートセンターを。石井孝之氏が語る、作家と鑑賞者をつなぐ「シームレス」な構想_image

日本にもアートセンターを。石井孝之氏が語る、作家と鑑賞者をつなぐ「シームレス」な構想

現代アートを扱うギャラリーはまだ少なかった1994年。当時31歳の石井孝之氏が、「見よう見まね」で立ち上げたのがタカ・イシイギャラリーだった。写真界のレジェンドたちと、どのように繋がったのか。作家をどのように見出すのか。写真を中心に現代アートをコレクションしている小松隼也さんが話を聞く。

父から娘へ。タグチアートコレクションのこれまでとこれから_image

父から娘へ。タグチアートコレクションのこれまでとこれから

タグチアートコレクションの名で知られる、ミスミグループ創業者の田口弘さんの現代アート・コレクション。

現在、蒐集や管理は長女の田口美和さんに引き継がれ、さらなる広がりをみせている。2018年11月時点で、作品数は約470点。

これほどのビッグ・コレクターならば、「いつかはプライベート・ミュージアムを」という思いがあってもおかしくない。

しかし弘さんも、美和さんも、特定の箱(スペース)をもつことは考えていないという。

かといって、コレクションを自分たちだけの楽しみにすることもない。コレクションの質の高さから、美術館などから出品依頼の声がかかることも多く、むしろ積極的に公開をしている。

過去には、タグチコレクションの名を冠した展覧会もたびたび開催され、来年も北海道内の美術館を巡回する予定だ。

父から娘に引き継がれるコレクション。インタビューで、弘さんは、しばしば実業家としての顔をみせながらアート購入時のアドバイスや、現代アートが持つ力を語った。美和さんからは、ギャラリー巡りを始めたころの意外なエピソードが明かされた。

観るのと買うのは、世界が違う。笹川直子さんは、現代アートに育てられた_image

観るのと買うのは、世界が違う。笹川直子さんは、現代アートに育てられた

「みんなと同じでは、つまらない。違う道に進んでみたい」

程度の差こそあれ、誰もが抱いたことのある感情ではないだろうか。しかし多くの場合、なんとなく右へならえに甘んじてしまう。実際に、みんなと違う一歩を踏み出せる人は、意外と少ない。その道を30年歩みつづけられる人は、もっと少ない。

笹川直子さんは、「お気楽OLだった」と自身を振り返る1980年代のバブル期に、20歳で現代アートの道に足を踏みいれた。背中を押したのは、”へそ曲がり”な性格と好奇心。周りとは少し違うことがしたかったという。

それから約30年がすぎ、今、笹川さんは会社経営者として忙しい毎日を過ごしている。その生活を送る傍らでは、変わらずにギャラリー通いをつづけ、現代アートのコレクションを楽しんでいるという。へそ曲がりや好奇心だけでは続かなかったであろう、現代アートの魅力とは?笹川さんに話を聞いた。

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千葉正也の絵画探求「オブジェが何だかを知るために、絵を描いています」

自ら制作したオブジェや日用品、既存のイメージなどを周到に構成し、それらをモチーフとした絵画やドローイング、インスタレーションを制作してきた千葉正也さん。

音楽と現代美術のフェスティバル「アッセンブリッジ・ナゴヤ 2019」では、港まちの旧・名古屋税関港寮を会場に「この匂いも作品に含まれます」と描かれた絵画や、窓から飛び出すハートのオブジェ、雑草にスプレーで塗装したインスタレーションなど、周辺の環境を活かした滞在型の作品を制作・展開した。ペインターと名乗り続け、絵画と実在の境界を揺さぶり続ける千葉さんの近年の思考とは?

インタビュアーは現代アート・コレクターの棟田響さん。途中からShugoArtsオーナーの佐谷周吾さんも加わった取材は、地元横浜でのエピソードや絵画に対する姿勢など多岐にわたった。