MUUSEO SQUARE
前田青邨(まえだ せいそん・1885年1月27日-1977年10月27日)は、岐阜県中津川市出身の日本画家。本名は廉造(れんぞう)。歴史・人物・花鳥画に秀で、美しい描線と、たらしこみ描法を用いた洗練された手法を示した。小林古径(こばやし こけい)、安田靫彦(やすだ ゆきひこ)と共に、再興日本美術院の三羽ガラスと呼ばれた。1955年には文化勲章を受賞。代表作『洞窟の頼朝』は新古典主義の最高傑作と称され、2010年には重要文化財に指定された。
現代アートコレクション400点、すべてが宝物。宮津大輔さんのコレクターとしての矜持
世の中には、さまざまなモノのコレクターがいる。しかし美術品、特に現代アートをコレクションするとなると、どことなく敷居の高さを感じてしまう人も多いようだ。それはひとえに「現代アートってよくわからない」からではないだろうか。そもそも現代アートとは何だろうか。絵画や彫刻ならただの「アート」でよいのに、そこに敢えて「現代」と付くのは何故か。そこで当連載企画では『What Is 現代アート!?』と題して、現代アートを取り巻くプレイヤーたちにお話を伺い、現代アートとは何か、それをコレクションするというのはどういうことか、について解き明かしていきたい。(モデレーター 深野一朗)
インスタレーション
草間彌生
前田青邨
アンディ・ウォーホル
アジアから世界へ。挑戦を続けるオオタファインアーツが見る世界の景色
所属作家に、日本を代表する現代美術家の草間彌生が名前を連ね、シンガポールと上海の海外拠点も順調に力をつけている。そんなオオタファインアーツの代表が、大田秀則さんだ。自由な空気を求めて現代アートの世界に入ったという。閉塞感を好まない気質が影響しているのか、ギャラリーでは若手のスタッフたちがのびのびと働いている。オオタファインアーツはどのようなスタンスで作家とつながり、世界のコレクターに作品を届けているのか。現代アートコレクターの神田さんが話を聞いた。
いま世界で進む商業芸術の再評価。「NANZUKA」が拡張した現代アートの文脈について
少年漫画の原画がルーブル美術館で展示され、「マンガも芸術なの?」と驚きの声があがったことがある。時代をさかのぼれば浮世絵も、日本人がその価値を見いだすより先に、外国人の目を通して評価され、名品の多くが海を渡った。渋谷にある現代アートのギャラリーNANZUKAは、田名網敬一や空山基など才能は認められていても、芸術としてみなされる機会がなかった作家の作品を、アートの文脈にのせ、世界に勝負を仕掛けている。NANZUKA代表の南塚真史氏は、どのような姿勢でアートと向き合うのか。現代アート・コレクター/大学教授の宮津大輔氏に話を聞いて頂いた。
「You are what you "collect".」現代アート・コレクター深野一朗のコレクション観
現代アートは、時に読み解くことがむずかしい。現在進行形なだけに、美術史におけるはっきりとした評価が定まっていないことも多い。そんなアート作品を購入するコレクターさんは、何をみて、何を決め手にしているのだろう。そこで現代アート・コレクターの深野一朗さんに、こんな質問をした。‟身近な方がアート作品の購入を迷っていたら、どんなアドバイスをしますか?”深野さんは「何もいえません」と笑った。現代アートとの出会いから、作品購入時のチェックポイントまで、深野さんはなんでも具体的に答えてくれていたので、この反応は少し意外だった。しかし「何もいえない」の先にあったのは、あらゆるジャンルの純粋なコレクターほど、深く共感できるであろう、深野さんのコレクション観だった。あなたなら、どんなアドバイスをしますか?あなたは、何を集めますか?
尖ったセンスを持つアート・コレクター。作品との向き合い方は「第一印象」重視?
センスのあるなしを、語ることは難しい。数値化して比べることもできなければ、その有無を判定する基準もないからだ。しかし世間には「センスがあるね」と言われる人がたしかにいる。現代アート・コレクターの神田さんもその一人だ。モデレーターの深野は、とあるギャラリーで神田さんを紹介された時、着ていた服のセンスの良さに驚いたという。国内のギャラリーや海外のアートフェアでも、しばしばその姿をみかけ、顔を合わすうちに、こんな興味を抑えられなくなった。「誰もが知る有名ブランドに身を包めば、間違いはない。けれど神田さんは洋服を、人の基準や世間の評価では選ばない。神田さんはそのセンスで、どんなアートをコレクションしているのだろう」実は"神田さん"とは、仮の名前だ。神田さんは、極めて私的な行為として現代アートを蒐集し、ふだんは東京・神田で「普通に会社員をしている」という。今回は名前と顔写真の掲載を伏せることで、インタビューに応じてくれた。取材の日も、セルリアンブルーのロングシャツに、ネイビーのパンツ。奇抜なところはないのに、ハッとさせられるセンスと品に溢れた装いで現れた。