ハッカイボラ
種数がある程度多く、非常に特徴的なのにも関わらず、日本人にはほとんど馴染みのないハッカイボラ類。模式種の本種は実際、ハッカイボラ属の代表的な特徴がよく現れています。
全体的にはヤシガイ系に近い見た目ですが、明らかに異なるのは螺塔付近。肩の部分が非常に鋭く尖り、そこから縫合までは直角かそれ以上に曲がって平坦です。また、生時には軟体が非常に大きく、ほとんど殻の意味がないような種もしばしば居ります。そのため、滑層は広く殻の裏面に達し、殻全体に及ぶこともあります。
軟体が大きいため食用になり、現地ではイェットと呼ばれます。アワビの代用としてアジアに輸入されることも多く、日本でもごくたまに見られるとか。
和名のハッカイボラは猪八戒に因んでいます。