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- 「TINTIN タンタンの冒険 …その夢と現実世界の物語」(サンライズ社/マイクル・ファー 著 小野耕世 訳)
「TINTIN タンタンの冒険 …その夢と現実世界の物語」(サンライズ社/マイクル・ファー 著 小野耕世 訳)
TINTIN タンタンの冒険
その夢と現実世界の物語
この本は素晴らしいですよ。タンタンお好きな方には大おすすめ!
タンタン研究家のイギリス人ジャーナリスト、マイクル・ファー氏によるタンタンの世界の全てを解説する研究書。
【以下、トビラの解説を引用】
マンガの歴史に重要な位置を占める「タンタンの冒険」シリーズは、1929年、当時21歳の青年コミックス作家のエルジェ(1907-1983、本名ジョルジュ・レミ)によって、ベルギーで誕生した。
それから半世紀をこえても、タンタンの単行本は毎年400万冊を、世界の50以上もの言語に翻訳されて売れ続けてきた。子どもだけでなくおとなの読者を惹きつけ、「7歳から77歳まで」の人たちに親しまれ、世界じゅうにタンタンノロジスト(タンタン学者)を生んできた。
21世紀を迎え、そこに描かれてきた冒険世界のひろがりは、いわば空想の20世紀の記録として、新たな関心を呼びつつある。
だが、その空想としての「夢」は、しっかりと「現実」を土台にしていたので「タンタンの冒険」は、1930年に本になった「タンタンのソビエト旅行」から、作者の死後の1986年に未完のまま刊行された「タンタンとアルファ・アート」まで、24冊が残されている。
イギリスのジャーナリストでタンタンの研究家として知られるマイクル・ファーによる本書は、24冊のすべてについて、その描かれたいきさつ、参考にした資料、時代背景などを、1冊ずつ丁寧に追求した最初の本である。
最初は眉毛すらなかったタンタンの顔の描きかたは、どこから来ているのか?タンタンのモデルは?まぬけの刑事デュポン&デュボンや天才科学者ビーカー教授のモデルは誰か。
エルジェがタンタン・シリーズを描いたときに参考にした新聞雑誌の切り抜きや古い写真類は、いまもエルジェ財団の資料室に保存されているが、それが実際のマンガにどのように活かされているか、具体的に照合されている。
また、第二次世界大戦のあいだ、エルジェとタンタンはどうしていたのかが語られる。
タンタンや登場人物たちの服装や、登場する飛行機、船、自動車などのメカはどのように描かれ、修正されていったか。
スタジオ・エルジェでのアシスタントたちの仕事ぶりはどのようなものだったのか一読者は、本書に盛りこまれた情報の豊かなことにまず驚き、「タンタン創作の秘密」を知っていくことになる。
産みの苦しみにしばしば悩む作者の姿も生きいきと伝えられる。つまり「タンタン」という「夢」を可能にし、それを支えた「現実」がどのようなものであったかが、ここに明らかにされたのだ。
タンタンの読者は彼の冒険を読み返したくなるだろうし、初めて夕ンタンを知る者も、その世界へと引きこまれていくにちがいない。タンタンと作者エルジェのすべてがここにある。