王立宇宙軍 オネアミスの翼 ネレッドン

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リマダ共和国の政治局次官ネレッドンの誰も望んでいないサービスシーンです。

入手もカロックのセル画と同時期だったと思いますが、価格はカロックよりもお高く3000円もしました…(やはりサービスシーンだから?)

汗だく半裸の初老かつ太り気味で頭にリボンを巻いた男… これを展示するかどうかは迷ったのですがある意味、ニッチでレアなシーンと考え、展示に踏み切ってみました。

そこで劇中におけるこのセル画のシーン(書記官との会話)なのですが、ゴージャスな蒸し風呂に響くネレッドンの重厚なリマダ語の響きが最高なんですよ…
このシーンの会話というか、空気の響きっていったら良いでしょうか… もうこれって完璧にASMRじゃないですか。(個人の感想)
思わず自分も蒸し風呂の中でネレッドンと一緒に癒されそうになっちゃいます。

まぁ、ASMRと感じるかどうかはともかく、書記官との会話には全く不自然さが見受けられず、まるで異国のドラマのワンシーンでも見ているかの様な不思議なリアルさを感じました。
個人的にはここまでナチュラル極まりない異世界会話をアニメで体験したのは初めてです。

また原画の裏側には鉛筆でネレッドンの口元が描かれており、ライトボックスで透過させると彼の掌に隠れた口元が透けて見えます。
(写真3では窓の光で裏側から撮影したので逆像になっています)
掌が自然に口元を抑えている描写をする為に「参考」の役割として裏描きしたのかもしれませんね。(この前後のシーンの参考用ということかもしれませんが)

さてさて、こんな魅力的なネレッドンの声をあてたのはウイリー・ドーシー(Willie Dorsey)さんというアメリカ出身の黒人俳優さんで声優としての仕事は王立宇宙軍のネレッドン役が唯一だったかと思います。

(むしろ国内映画や特撮ドラマの悪役、モデルなどのお仕事がほとんどで、1987年に放映された太陽にほえろ!PART2で拳銃密売人「パピヨン」で大暴れをしたり、同年のベイシティ刑事ではバーのマスターを演じていましたが、それ以降、俳優としての活動は無かったと思います)

ネレッドンの登場シーンは僅かですが、そのセリフ(リマダ語)のリアルで自然な言い回し、そして抑揚から発揮される演技力で、彼はネレッドンという人物の性格や立場を鮮明に演じきっています。

この作品は彼にとって唯一の声優出演作、かつ芸能のお仕事としてもラストを飾るひとつだったのかもしれません。

王立宇宙軍という作品はウイリーさんにとって経験の殆どないと思われる声優としてのお仕事でしたが、ネレッドンの見せた重厚な存在感は彼が俳優として積んできた経験が十二分に生かされ、丹念に注ぎ込まれた結果ではないでしょうか。

ちなみに俳優の副島淳さんはウイリーさんの血縁者であることが知られています。
(2020年6月28日放送フジテレビ『日曜THEリアル!・もう一度家族になりたい!』から)

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