Oelandoceras sp.

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Species :Oelandoceras sp.
Age   :中期オルドビス紀ダーリウィリアン
location:スウェーデン/エーランド

新約 頭足類神話の一節をご存じだろうか?

遥か昔、単板鋼という貝の仲間から進化を重ねてプレクトロノセラス目という頭足類の仲間が産まれた。

その近縁からヤンヘセラス目が産まれ。

更にその近縁からエレスメロセラス目が産まれ。

その後、エレスメロセラス目は数多の頭足類達を産みだした。

頭足類たちは適応拡散を繰り返し

古生代中期にはノーチロイドが
古生代後期にはアンモノイドが
中生代にはアンモナイトが
新生代には鞘形亜綱が繁栄した。

そして、預言書“The Future is Wild”によれば、
遠い未来、頭足類の子孫達は更に適応拡散して地上や空中をも支配するとの説が挙がっている。

※“The Future is Wild”= 科学者達が2憶年後までの生態系を予想した研究を記した書籍。まぁ信憑性はハテナ(笑)だけど生物学好きの娯楽本としては面白い。

そんな、人間の神話に例えるならアマテラス的な存在であるエレスメロセラス目の仲間。

勿論、異説もある。
ディスコソルス目などはエレスメロセラス目を介さずにプレクトロノセラス目の近縁から直で分化した等とも言われている。

とにかく私が個人的に求めている、原始的な頭足類グループである事は間違いない。

後期カンブリア紀に産まれて前期オルドビス紀に様々な他目を産みだした後も、同目内で分化を繰り返し様々な種が存在する。
初期のエレスメロセラス目の仲間は小型だった様だけど、この属は既に適応拡散した後の時代の中型属。

Oelandocerasという属に聞き覚えはないけど、無脊椎動物古生物学の論文、パートKにもしっかり載っており、写真を含めて確認したところ、シルトコニック(湾曲殻)な類似形態で、雑同定ではない模様。

オーランドセラス属(スウェーデン語読みだとエーランドセラス?)という名前から
日本のニッポニテス属(アンモナイト目)や
エストニアのエストニオセラス属(タルフィセラス目)
の様にエーランド島を象徴する属なのだろうか。

この標本は外殻、隔壁、双方観察できて比較的若い殻から住房まで保存されている最上級の標本。

エレスメロセラス目を象徴する間隔が狭い隔壁が観察できる。
他に目の特徴としては腹側に寄った大きめの連室細管があるらしいけど観察は不可。

プレクトロノセラスやエレスメロセラスなどの黎明期に近いノーチロイドは昔から欲しかった標本だし、流通さえしていればこれからも最優先で収集したい標本。

真贋の程は正直わからない。
しかし、かなり酷似した形態。
個人所有できるとは思っていなかった標本のひとつなので素直に嬉しい。

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