Carl Zeiss Jena BIOTAR 5.8cm F2 T

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Carl Zeiss JenaのBiotarです。4群6枚構成の典型的なダブルガウス型のレンズで,グルグルボケで有名です。戦前の初期型は球面形状の絞り羽でしたが,戦後に登場した前期型では通常の平面形状の絞り羽となっています。また,前期型以降はモノコーティングが施されており,レンズ銘板には赤字でTの刻印がはいっています(中期型の途中からTの刻印は省かれます)。

旧ソ連製のHelios-44がグルブルボケで一部のインスタな人たちにウケているようですが,Biotarはそのコピー元となったレンズです。第二次世界大戦の終戦時にソ連はドイツから技術者も含めてレンズに関するあらゆるものを接収してコピーを作り始めています。その後,ソ連製レンズは単なるコピーから独自の発展をしていきます。

Biotarは前期型の一部を除いて全てシルバー鏡筒でした。この個体はブラックの前期型でシリアル番号が327万番代ですので,1949年頃に製造されたと思われます。また,外観からおそらく前期型のなかでも少し改良が加えられた第二世代のモデルだと考えています。前期型は最短撮影距離が90cmでその後のモデルに比べてかなり長いので実用性を考えれば中期型以降のほうが便利です。しかし,中期型以降と前期型以前では少し画作りが違うように感じられ,かつ,前期型のほうが個人的な好みにあっているように感じています。

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