Retina-Tele-Arton f:4/85mm

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Schneider-Kreuznachがデッケルマウントのコダックレチナ用に供給したコンパクトな中望遠レンズです。コンパクトなぶんだけ開放F値は大きく現代の感覚では85mmでF4ってどうなの,という感じになりがちですがレチナが現役だったころは明るくはないにしても特別暗いという感覚ではなかったのだと思います。

このレンズについてはあまり情報がないのですが,4群5枚のXenotar型の構成のようです。デッケルマウント用レンズのご多分にもれず,最短撮影距離が長く,1.8mもあるので使い勝手はあまりよくありません。また,レンズ先端のフィルター枠がバヨネット式のため汎用的なねじ込み式のフィルタが使えませんし,キャップでさえも簡単に見つかりません。キャップに関しては被せ式のものを調達すれば実用的には問題ないと思いますが,保護フィルタがつけられないのは個人的には持ち出すときにちょっと怯んでしまいます。

筐体は非常に美しい作りで1950から1960年代のものづくりのこだわりが感じられます。この個体はシリアル番号から1965年の後半から1966年の間に製造されたものと考えられます。

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