愚なる妻
今でこそ、エリッヒ・フォン・シュトロハイムがサイレント映画時代のいい意味でも悪い意味でも「巨人」であった、というのは認識していますが、映画を観始めの頃は、スクリーン越しに『サンセット大通り』、次いで『大いなる幻影』でその姿を俳優として見ただけでしたので、本作や『グリード』で長尺の完成品を、劇場公開レベルまでカットすることを余儀なくされたなどのエピソードがあった監督であった、と聞かされてもピンときませんでした。そのせいか、今日に至るまでこの監督の作品は本作と『グリード』しか観ていないことも相まってこの監督のスゴさが実感できず、そのことはおのれの鑑賞眼のレベルの低さの証なのでしょうが、そうなると自分のレベルでもそのスゴさを理解するべく、本作の、もともとそうだったと言われる8時間の長尺版を観てみたい気になってきます。もちろん、不可能だとはわかっているのですが…。
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