朝鮮戦争
1950年6月25日、38度線から朝鮮民主主義人民共和国軍の電撃的な侵攻が開始された。朝鮮戦争の始まりである。ソ連からの軍事的援助を受けた北朝鮮軍はT34戦車を前面に押し出して侵攻、一方韓国軍の装備は脆弱でその戦車を撃退できる力を全く持っていなかった。奇襲は瞬く間に成功し、あれよあれよという間に韓国軍の前線は崩壊し、僅か3日で首都ソウルは陥落した。このゲーム「朝鮮戦争」は、6月25日の開戦から連合軍がソウル奪還までの4か月余りをシミュレートしたゲームです。ここで刮目したいのは、戦争終結の1953年までではなく、北朝鮮軍の奇襲、首都陥落、首都奪還、連合軍の反撃までの4か月のみを切り取ってゲーム化したこと。マップも朝鮮半島全部ではなく、38度線の南のみにしたという潔さ、さすが鈴木先生のデザインだなと感服いたします。デザインの理由はデザイナーズノートにもありますが、けた外れの人海戦術を展開した中共軍の介入後は全く戦争の様相が変わったこと、一つのゲームにまとめるには無理があると判断したこととしたためており、全く持って納得の理由です。残念なのは、諸般の事情によりこのゲームは発売後まもなく製造中止、市場に出回っているものは回収され、エポックのカタログからは消え、その存在自体を闇に葬られてしまったこと。確かにセンシティブなテーマですが、シミュレーションゲームってそういうもんじゃないでしょう。歴史の愚かさを知るためのツールなんじゃないでしょうか…。
時代は移り、16年の歳月が過ぎた後、2000年にサンセットゲームズからよりプレイアブルにリニューアルされて再販されました。古角さんぐっじょぶ。真に良いものは復活するもんです。
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#販売中止