新生(細巻20本入)

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戦後、「ピース」・「コロナ」に続き「自由販売品」として発売されました。当初は「バラ売り」でしたが不評であったため、包装して販売されることとなり、効率向上を考慮し包装紙には連続模様が採用されました。裁断する寸法を変えることで、10本入と20本入を使い分けることができたからです。
「新生」は、配給制度下で販売されていた「金鵄」(売価11円)から、タバコ葉代用品の「イタドリ」を抜いただけの品物でしたが、「金鵄」より29円高く、また「ピース」・「コロナ」(いずれも売価50円)と10円しか違わないという品質と価格のアンバランスが不評をかいました。
結果「福引券つき」・「半額値下げ」という、それまでにない方法で売り尽くしが図られることになりました。1948~1951年にかけて、専売収益金の確保や税負担軽減などの目的で値下げが行われました。当時のヤミ市場でのタバコ売買を抑制する目的もありましたが、半額まで値下げされたのは「新生」のみでした。また、専売局からの指示があったわけではありませんが、一部小売店では上質な「ピース」との「抱き合わせ販売」まで行われたとの報告が残っています。

1947年11月1日~
・80円で発売開始、用紙の裁断幅ヨコ85㎜。【画像1】

裁断幅93㎜の「太巻」用【画像2・3】
一定数存在する。細巻と太巻が同時並行で販売されていたか、太巻が1949年6月以降に販売された際、残余用紙の再利用で使用されたかはその詳細は不明。

1948年5月下旬 
・40円へ価格改正
・1948年3月上旬製造中止、年度内で売り尽くしで終了

「新生福引券」【画像4・5】
・収益金の確保が思わしくない状況を打開するため、一種の宝くじを添付して売り上げの増進を図った。
・1948年2月から4月末まで、40億本の発売計画に対して8000万枚を発行したが、60%の販売にとどまった。
・「引換券」5枚でこの「福引券」1枚と交換できた。タバコ本体に添付されたのはこの補助券に相当する「引換券」だったと思われる。なお、「引換券」の現物にはお目にかかれていない。

[1948 第2回国会 参議院 財政及び金融委員会]
[1985 日本専売公社]

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