八千代 (20本入)

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大正という時代は、急速な近代化を経験した明治と、荒廃と復興を経験した昭和に挟まれていささか目立たない印象があります。しかしながら、その短い期間に、政治・文化ともに内外の影響を受けて、新しい思潮が生まれ花開いた時代でもありました。

タバコは、わずかに発売された6種類の内、その半数以上が記念銘柄で、その筆頭にあげられるのがこの「八千代」です。御大典(大正天皇即位)記念として発売され、わが国の記念タバコ第一号でもあります。雅楽の大太鼓に幔幕、松と楓など御大典を象徴させる事物を抑え気味の色調で描き出し、一部に金色を配して荘重さを際立たせています。また、7色の多色刷りであることも特筆されます。

タバコの包装本体に記念を意味する言葉は入れられていませんが、専売局創設以来始めて専用の「販促ポスター」が作られ、記念の趣旨が大きく宣伝されました。初の記念銘柄としての気合いの入れようが窺えます。また本品は、樺太の居留法人向けに一部輸出されていたことが知られています。

1915年10月20日~ 10銭で発売開始【画像1】
・表面拡大【画像2】
・裏面拡大【画像3】

1917年3月31日 製造中止

[1961 日本専売公社]
[1973 田中]

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