万華鏡の世界 若狭の変り塗 その3
さらに変り塗をご紹介します。 卵殻が夜の波濤を思わせる「夜の海」。確かに白波が立っているように見えます。 紐と菜種、四角い箆を使った「藤縄」。金箔の上に青漆を塗っています。 紐と松葉、微塵貝を使った「寒菊」です。上3つはいずれも嘉永4年のものです。 嘉永四年(1851年)作 若狭瓣當箱 https://muuseo.com/shinshin3/items/217 グリーン参る これは「はだれ雪」ですが檜葉が特別小さく可愛らしい印象です。 松葉の菊模様に卵殻の雪を散らした「菊の雪」。でも檜葉も入っています。 五段重 八寸 「菊の雪」 https://muuseo.com/shinshin3/items/249 グリーン参る 細かな卵殻を散らした中に松葉の菊模様が入ります。明治後期のものと思われますが、変り塗の名称は分かりません。 紐と四角い箆を使った「唐錦」。嘉永7年の作品です。 嘉永七年(1854年)作 大廣蓋 「唐錦」 https://muuseo.com/shinshin3/items/214 グリーン参る 黄漆、茶の漆に青漆で松葉を抜いた模様です。名称は分かりませんが、江戸期の物だと思います。 桜をヒバの中に散らしていますが、変り塗の名称は分かりません。こうした花を模したものはほぼすべてが明治以降の作品です。 黒の背景に赤の松葉と緑の稗で模様付をしたものです。これも名称は不明です。 稗のなかに松葉を金で抜き、中に卵殻を施して花火のスターマインのようです。これも他では一度も見たことのない変り塗で名称は分かりません。 明治中期 七寸五段重 「牡丹雪」 https://muuseo.com/shinshin3/items/254 グリーン参る ときどき見かける渦巻き状の模様です。明治以降の作品です。 菜種で桜が散る様子を、紐が風が吹く様子を表す「桜戸」。 二段重 「桜戸(さくらと)」 https://muuseo.com/shinshin3/items/219 グリーン参る 桜戸の別バージョンです。作者が違うと雰囲気も変わります。 地味ながら独特のリズムのある「総角」。 江戸後期 六寸 四段重 「総角」 https://muuseo.com/shinshin3/items/355 グリーン参る 紐の中に微塵貝を配した「夕時雨」。時雨の雰囲気はないのですが…。 江戸期 変り塗五種 小型盆 https://muuseo.com/shinshin3/items/345 グリーン参る 黄漆を背景に稗で模様付をした「月代(つきしろ)」。明治に大変人気があり、よく使われました。 稗とごくわずかに微塵貝を散らした「都鳥」。 青漆を使った「木枯らし」という変り塗です。やや地味な印象がありますが、実際手にしてみるととても美しい塗りです。 飯鉢 「木枯らし」 https://muuseo.com/shinshin3/items/224 グリーン参る 都鳥に似ていますが、こちらは「百千鳥(ももちどり)」という模様です。 変わり塗の種類は400から500ほどあると言われており、全貌はまだまだ把握できません。 #若狭塗 #漆器 #コレクションログ