明治六年(1873年)作 六寸五段重 「高雄」

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明治六年作の六寸重ですが、五段各段はいずれも同じ高さになっています。檜葉と菜種を使った「高雄(たかお)」という変り塗です。「高雄」は「はだれ雪」と同じく江戸後期から明治にかけて大変人気のあった変り塗のようで、多くの作品が作られています。重箱は内朱、底は黒漆です。作られてから150年経っていますが、全く狂いがありません。どれだけ木地の乾燥に時間を掛けたのでしょうか。

参考までに明治34年作の八寸重と比較した画像8を載せますが、明治6年の方が細かで手が込んでいます。明治に入ってからの30年の間に、若狭塗の技術は徐々に、しかし確実に低下しているように感じます。

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