- GreenMile Museum
- 16F 万華鏡 ~ 江戸・明治期の若狭塗
- 明治21年(1888年)製作 四寸手提重
明治21年(1888年)製作 四寸手提重
先日入手した明治21年製作の四段の手提重です。重箱の大きさは四寸ほど、高さは取っ手を含め八寸と小型のものです。中には小分け用の組板が付属しています。木地は若狭塗としては厚めの方です。変り塗は松葉と檜葉を用いたものですが、名称が分かりません。
内も底も黒漆ですが湯焼けがかなり進んでおり、相当使われた漆器なのでしょう。外側の傷みはあまり見られず、大切に使われてきたことが伺え私も嬉しくなってきます。140年近く前のお正月の光景が目に浮かびます。
先日明治生まれの男性が亡くなられ、日本に明治に生を受けた男性は一人もいなくなりました。私が子どもの頃はまわりに明治の方はたくさんいらしたのに。本当に「明治は遠くなりにけり」、何だか切ないです。