Karate / unsolved ‐ Southern Records 18584-1 FRANCE

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2023年にあのヌメーロレコードからカラテのアルバムが立て続けに再発されました。もともとオリジナルの発売枚数が少ないうえに解散後まるで伝説のバンドのように取り上げられられていきます。
カラテは1993年に結成されヴォーカル/ギターのジェフファリーナの聴覚障害により2005年に解散したボストン出身のバンドで、創設メンバーの一人イーモンヴィットが医師になるためバンドを脱退したあと、もともとバークリー出身の3人がパンク色の強いバンドから彼らのレコードコレクションを聴きながら深く掘り下げ、より緻密な音楽性へと向かっていきます。このアルバムをレコーディングする前に彼らがリハーサルで取り上げていたのはマッコイタイナーのコンテンプレーションやビルエヴァンスのインタープレイでした。このアルバムには新たな方向性を確立しこの後解散まで完成度の高いアルバムを発表していきます。しかし、ジェフの聴覚障害によりやむなく解散。さらにはレーベルであるサザンレコードの創設者ジョンローダーが悪性の脳腫瘍と戦い2005年に亡くなります。マイナースリート、フガシなどが所属したこのレーベルは巨大配給会社と契約した後まったく異なるレーベルとなり、カラテの音楽は市場から姿を消していきます。それでも彼らのアルバムは1枚数は数百ドルの値が付き、インターネットでブートが売買されていきます。ヌメーロのスタッフはメンバーとともに過去すべての音源を調査し彼らのレコードを再発していきました。こうして彼らのアルバムがレコードですべてまた聴けるというのは嬉しいことです。現在カラテは再度ツアーを行っており、今年新たにアルバムを発表するとしています。
この盤は2000年に発売されたフランス盤で、US盤と同じ規格番号になっています。またヌメーロが再発したD面にはオリジナルに収録されているCherryCoke, Death Kit, Nerveがカットされ、Get Reborn, Old Codes, the Angels Just Have to Show 3曲のリハーサルテイクに変更されています。かなり生々しい音源でおそらくリハーサルスタジオで録音したテープをそのまま編集していると思われます。ファンには嬉しい音源ですがオリジナルに収録されている3曲を何故カットしたのかがよくわかりません。
再発盤は音が柔らかくなっていてオリジナルはより尖がっている音(のような気がする)です。この辺は当時の彼らの尖がり具合がそのまま残っているのかなと感じます。私はそのほうが好きですが。

Karate / unsolved Southern Records 18584-1 FRANCE

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