『タイム・パトロール / ポール・アンダースン』《ハヤカワSFシリーズ》

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早川書房より、1968年に発行された『タイム・パトロール』GUARDIANS OF TIMEです。ポール・アンダースン/著、深町真理子/訳で、原書は1960年に発行されました。
時間テーマSFは、H・G・ウェルズが1894年「タイム・マシン」を発表する以前の1889年に、マーク・トウェインが『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』という作品を書いているくらいに、作家にとっては興味深いテーマだったようですが、この『タイム・パトロール』もそうした一冊です。
“西暦19352年、人類は瞬間移動の研究に関連して遂に時間旅行の方法を発見した。過去へ、未来へ、時間が自由に操作できるのだ!
だが、これは、人類のために、利益と害悪の両方をもたらず両刃の剣だった。過去を知り未来を知ることによって人類の知恵は飛躍した。だが過去に干渉して未来を変えようとするいわゆる時間犯罪が発生したのである。かくて時の航路を監視し歴史を正しい軌道にもどすためにタイム・パトロールが設立された。
1954年のマンス・エヴァラードは、そうしたタイム・パトロール隊員の一人だった。(以下略)”
あらすじからお分かりの通り、日本のSFに相当な影響を与えた作品です。豊田有恒先生などオマージュ作品をいくつも書いてますし、藤子・F・不二雄先生はこの作品をそのままジュブナイル化したような作品を描いています。
アシモフ先生に至っては、「タイム・パトロール」という概念や存在自体が、人類に益にならないのではないかと、『永遠の終わり』という作品を書いておられます。
#時間テーマSF #ポール・アンダースン #深町真理子 #ハヤカワSFシリーズ
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『タイム・マシンーH・G・ウェルズ短編集IIー』《ハヤカワSFシリーズ》
早川書房より、1963年に発行された『タイム・マシンーH・G・ウェルズ短編集IIー』です。H・G・ウェルズ/著、宇野利泰/訳。この本も古典であるため、“金背”ハヤカワSFシリーズとなっています。 ウェルズ先生の本質は、単なるSF作家というよりも、文明批評家としての卓抜な才能だったと思っていますが、「宇宙戦争」「透明人間」そしてこの「タイム・マシン」など数々のSFのアイデアを残してくれた偉大な《SFの父》の一人だと思っています。 “コナン・ドイルが近代探偵小説の始祖であるように、H・G・ウェルズはサイエンス・フィクションの創始者だ。とくに空想科学小説のアイデアの原型は、H・G・ウェルズにおいてすでに出つくしたといってもまちがいではないだろう。火星人が地球を侵略してくる侵略テーマ、軌道をふみはずした宇宙の漂泊者が、地球めがけて突進してくる衝突テーマ、物体を透明にする透明テーマ等々……。彼がつかわなかった着想は一つもないといっていい。 タイム・マシンも、ウェルズの想像したもっとも典型的な空想的着想の一つである。時間を、この世界を形成する第四次元の平面としてとらえ、過去へ、あるいは未来へと、時を遡り跳躍するという着オスは、空想科学小説になくてはならない重要なジャンルを一つ付け加えたのだ。”(解説より) 収録作5編は「塀にある扉」「陸の甲鉄艦」「魔法の店」「盗まれたバチルス」「タイム・マシン」。 ジョージ・パル監督による映画『タイム・マシンー80万年後の世界へ』(1960)、そしてそのオマージュであるニコラス・メイヤー監督の映画『タイム・アフター・タイム』(1979)は趣のある傑作です。 #空想科学小説 #古典SF #H・G・ウェルズ #ハヤカワSFシリーズ https://muuseo.com/jason1208/items/814 https://muuseo.com/jason1208/items/491
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