『死都日本 / 石黒耀』《講談社》

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『死都日本』石黒耀/著。講談社刊。2002年初刷。ISBN4-06-211366-X。講談社文庫版もあります。
本作『死都日本』は著者・石黒耀氏の処女作です。
霧島山の地下にある加久藤火山(加久藤カルデラ)が現代に巨大噴火を起こしたらどうなるか。
本作はそのような巨大噴火が現代の日本で起きたらというIFをシミュレーションを行った小説です。作者が作中で考案した「破局噴火」という言葉が、現実の研究者に使われ定着しました。
“日向大学工学部助教授の黒木伸夫は、独特の話芸で、学生たちの中でも親しまれていた。彼は地方新聞の連載記事で、加久藤火山の存在や火山災害の恐ろしさを県民に広め、その防災工学の講義は、いつも火山の話に脱線する、名物助教だった。彼は国家プロジェクト"K作戦"の一員としての活動を、妻の真理や後輩の岩切に話せずに苦悩する。彼自身の予測よりも早い加久藤火山復活のその場に岩切と共に立会い、決死の脱出を試みることになった…。"
「ラハール」や「破局噴火」など、作中での専門用語に慣れ親しんでいくうちに、現在でも他人事ではない火山災害について啓発されていく、スケールの大きな災害パニック映画です。なお、年少向けにリファインされた漫画版「カグツチ」という作品があるらしいですが、まだ未読です。
#災害小説 #SF #石黒耀 #講談社

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