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AI Micro Nikkor 105mm F4
AI Micro Nikkor 105mm F4
近距離撮影用の105mmレンズが発売されるのは1970年になってからのことである。しかもそれはフォーカス機構のないベローズアタッチメント用ニッコールであった。
105mmという焦点距離は、ベローズアタッチメントを取り付けた時に、無限遠から合焦できる焦点距離として選ばれたのである。
ベローズ用Nikkor 105mm F4の光学系をそのまま流用して、1/2倍まで繰出せるヘリコイドを備えたNEW Micro Nikkor 105mm F4が1975年に発売され、立体物でパースによる形状の歪みが少ないこと、自然な奥行き感が出せること、被写体との距離がとれるなど、105mmならではのメリットがユーザに認知されだしたからである。その後マイクロ105mm F4は、1977年にAI化され、1981年にAI-Sレンズとなり、1984年に光学系を一新したAI Micro Nikkor 105mm F2.8 Sが発売され、105mmが花写真やスタジオ小物撮影の定番レンズとして愛用されるようになったのである。
ニッコール千夜一夜物語 - 第七十二夜 ………より