番外編2 トリオ・レコード 1970年代

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トリオ・レコードですが、月報がありませんので、レコード・マンスリーの広告をベースとして1970年代の初期を振り返ってみます。

トリオ(株)は1960年代にもシャルラン・レコードの輸入販売を行っていたことは、既にご紹介しました。
1972年4月号でアーティスト紹介を含めて全4ページの広告を出し、いよいよ自社が発売元となって国内盤事業に乗り出すことが謳われています。複数の海外レーベルとの契約も済ませ、正に満を持してという意気込みが伝わってきます。クラシックの第1回発売分を眺めていても、エーリッヒ・クライバー指揮の歴史的音源が含まれていたり、明らかに社内に熱心な音楽好きがいたことを思わせる選曲になっています。

1972年7月号(4つ目の画像) 指揮者の井上道義さんのデビュー盤が紹介されています。この頃は長髪で若者感がムンムンですね。ザルツブルクのオケを使ってモーツァルトのシンフォニーを振っていますが、なかなか新人指揮者に任せるような仕事ではないと思います。

1972年11月号(5つ目の画像) 「ユニークなクラシック/マニア好みのジャズ」というコピーが、我々リスナーのイメージとも一致していました。

1973年2月号(6つ目の画像) 宮沢明子さんの登場です。既にコロムビアやキングなどからレコードが発売されていましたが、私がよく聞くようになったのはトリオから発売されるようになってからでした。このレコードでも、誰もが知っているバッハのメヌエット(偽作ですが)の表情にハッとしたものです。

1973年6月号(7つ目の画像) 邦盤の発売開始です。アイドル路線は上手く行かなかったようです。

その後、
【邦盤】憂歌団,吉田美奈子,南善佳孝,金子由香利,久保田麻琴と夕焼楽団 など
【ジャズ】キース・ジャレット,秋吉敏子,セロニアス・モンク,マル・ウォルドロン など
が発売されます。
ちなみに、キース・ジャレットのケルン・コンサートは1975年10月1日発売でした。

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