「薩英戦争」(髙城書房/西山正徳 著)

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これも鹿児島の地方出版モノ。。。
地元の史家(元新聞記者)の西山正徳氏の手によって書かれたドキュメンタリー小説仕立ての書、比較的近年の著作で1999年(平成11年)初版の本です。

「薩英戦争」、私の好きな歴史の一つです。
実は幕末から明治維新へて日本が近代国家に生まれ変わる中で、とても重要な位置を占める事件なのです。

生麦事件で薩摩の行列に斬られた商人の敵討ちを名目に、日本側にその武力を示そうと薩摩藩に対して横浜から大艦隊を派遣したイギリス海軍ですが、実は、逆に返り討ちにされたのではないかと言うほどの損害を受けて横浜に帰ってきます。

しかし、この戦いで西洋式の軍艦や武器の威力を知った薩摩藩は、それまでの単純な「攘夷」の思想から、この戦いの後、逆にイギリスとの接近をすることで武力の近代化を図り、それが後の明治維新の原動力につながっていくのです。

鹿児島市の沿岸部には、いまだに当時の砲台(台場)の遺構の石垣があちこちに残り、薩英戦争の当時を偲ぶことができます。

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