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Kyocera SlimT
京セラのSlimTです。たぶん1992年の発売。もとをたどると1984年発売のYashica T AF-Dまで遡れるようです。シリーズの最後は2002年に発売されたKYOCERA T zoomになるようです。20年以上生き延びたシリーズということになります。
まだ学生で貧乏だった時(今もだけど)にちゃんと写るコンパクトカメラが欲しい,というかコンパクトカメラしか買えなかったときに,兎に角,レンズは良い,というので買ったのがSlimTでした。当時,京セラというかヤシカからでていたContaxカメラとその交換レンズはあまりにも高価で高嶺の花でしたが,同じCarl Zeiss銘でT*コーティングのTessarレンズがお安く買える,ということで飛びついたのです。その後,このカメラのシリーズは防滴構造とともにアングルスコープがついたT Proofやズームレンズを入れたT zoomがでたりしてなんだか迷走しますが,デジタルカメラの利便性には勝てず,市場から消えます。
最短撮影距離が35cmで寄れると言えば寄れますが,近接でのフレーミングやAFの精度はそれなり,ですし,リバーサルフィルムを使うようなカメラでもないので露出もアバウトでネガフィルムが大前提です。ファインダーには埃が入りやすく,ズボンのポケットに突っ込んで歩いていたらよほどポケットが汚かったらしくファインダーが埃だらけになってしまいました。それでもフレーミングさえできればよいので実用上の支障はありません。
高級感のカケラもないチープなプラスチックの外装ですが,電源を入れてレンズバリアの下からニュッとレンズがでてくると,それが高級品の代名詞であるようなCarl Zeissのレンズだ,というちょっとしたギャップが楽しいカメラでした。ズームレンズが普通になりつつあった時代に35mm F3.5というとてつもなく平凡な単焦点レンズ という潔さ。そのかわり小ささ,軽さを手に入れています。
当時,流行った単焦点の高級コンパクトカメラ,Contax T2, T3, Nikon 35Ti, 28Ti, Minolta TC-1など,当然のように買えませんでしたが,SlimTは外装のチープさを気にしなければ写りだけならこれらの高級機に十分対抗できる,と信じて使っていました。実際にはいろいろと足りないところ,というか製品としての割り切りがあるのでやっぱりなんだかなぁ,と思うところも少なくないのですが,それでもいろいろなところへ連れ歩きました。
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