Ricoh GR1s

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私の記憶の中で,最初に手にしたカメラは父に買ってもらったリコーオートハーフ,たぶん1970年代のモデルでリコーオートハーフSE2だったと思います。父が自慢げにフィルムの枚数が2倍撮れると言っていたのをよく覚えています。オートなのは露出と巻き上げでピントは固定焦点だったようです。露出計もセレンメーターだし,ゼンマイ仕掛けの自動巻き上げで,フルオートなのに電池要らず,という今から考えてみるとよくできたカメラでした。このときから私の中ではカメラとリコーが結びついていました。

本題のGR1sは1998年に登場したカメラです。1990年代の高級コンパクトカメラの流行にのって1996年に登場したGR1の改良型です。1998年にはレンズはそのままに機能を少し削って価格を抑えたGR10, 2001年には21mmの超広角レンズを持つGR21とGR1sの機能強化版のGR1vという具合にいくつか派生モデルがあります。

このGR1sは東京出張の折に中野の中古カメラ店で思い切って購入したものだったと記憶しています。小さくて軽くていつでもどこでも持ち歩いて写真が撮れるだけでなく,レンズが高性能でとてもよく写る,というのが魅力でした。もちろん,当時はContax T2やMinolta TC-1, Nikon 35Ti, 28Tiなど高級コンパクトカメラが(新品にしろ,中古にしろ)同じくらいの価格帯にありましたから当然のように悩んだのですが,さっと出してさっと撮っても目立たないであろうことを期待して見た目がいちばん地味なGR1sを選びました。リコーのカメラについての遠い昔の記憶が背中を押したのかもしれません。

このカメラを入手するまでの意気込みは今でも鮮明に覚えていますが,入手してからどこで使ったのかほとんど思い出せません。体の一部として馴染んだから,というよりは当初狙ったような使い方をする機会があまりなかったような気がします。あるいは,よくあることですが入手することが目的化していたのかもしれません。デジタルカメラの黎明期にあって,デジタルカメラに興味が移ってそちらを多く使った,ということもありそうです。

それでもリバーサルフィルムでもまともに撮れるほどに露出も正確で,また,ピントも正確でしたので安心して使えるカメラでした。さすがに,近接でのファインダーのパララックス補正はアバウトでフレーミングは結構,難易度が高く感じられました。もちろん,中遠景では普通にフレーミングすれば普通に狙った範囲よりちょっと広めの画が残っていて問題はありませんでした。たいして使ったわけでもないのですが,とても気に入ってたことは間違いありません。専用の小さなフードとそれを入れる小さな巾着袋が付属していましたが,お約束どおり紛失してしまいました。フードを紛失したのは今となってはかなり残念です。

GR1sによる作例を
https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/GR1s
におきました。

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