ルービンシュタインのショパン、スケルツォ、バラード全集

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たとえば今や小学生でも弾く有名なスケルツォ第2番・・・最初の2分音符の重みを感じ、その後の三連符を挟んで小節線があり、その後沈黙がある、ということの意味をこのルービンシュタイン盤ほど十全に捉えた演奏実はきわめて少ないのです。ショパンが敷設したきわめて精緻な転調の妙技を自然に色分けする音色の魔術には溜息がもれてきます。バラードもスケルツォも第4曲は異質な作風ですが、その創意のすべてを汲み取った華麗な詩が編み上げられていきます。

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