ルービンシュタインのショパン夜想曲全集

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夜の詩たるこの曲集で、ルービンシュタインはセンチメンタルで独善的な惑溺と詩的インスピレーションの飛翔との危うく際どい境界線をキッチリ見極めています。初期の比較的単純な曲から、めまぐるしく転調する後期の複雑な曲へと至るショパンの生涯を俯瞰するようなこの曲集に対し、彼は各曲の彫琢に意を砕くのみならず、作風の推移への目配せも余念がありません。かくしてショパンの生涯の雄弁な要約とすら言える演奏が生み出されました。

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