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PENTAX Super-Multi-Coated TAKUMAR F 3.5/28mm 後期型
PENTAX Super-Multi-Coated TAKUMAR F 3.5/28mm 後期型
前回紹介したレンズと同じ、ペンタックスの開放絞り値F3.5、28mmレンズです。同じ性能を持つレンズですが外見は大きく異なっています。
こちらのレンズは、1966年より販売を開始されたのですが、大きさ、重さがコンパクトのなり取り回しが楽になっています。
フィルター径も49mmと、多くのタクマーレンズと共通のサイズとなり、システム一眼レフカメラとして運用上のメリットが大きくなっています。
もう一つ、外観上の変更点がシリーズ共通の絞りの距離標示が窓枠型に変更された点です。
Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5後期型は、逆光時の撮影で、美しいフレアと、盛大に現れるゴーストで人気のレンズです。
当時のユニバーサルマウント、M42マウントを採用したレンズで、マウントアダプターの種類の多さや、中古品の手に入れ易さもあって、様々なカメラに装着され人気の高いレンズだと思います。
欠点であるはずのフレアとゴーストが逆にこのレンズの魅力を際立たせている様ですが、順光時にはきっちりとコントラストを表現でき、両面での魅力を持ち合わせたオールドレンズとして、確かな価値を確立している名レンズですね。
ちなみに、フレアやゴーストは、レンズ入った光が、レンズ表面や鏡筒などで反射、拡散する事でフレアやゴーストが発生すると言われていますが、反射した光が画像に滲みのように写り込んだ時にはフレアとなり、画像となって写り込んだ時にはゴーストと呼ばれるようです。
強い逆光を真正面から受けずに、少し角度を付けて反射光を上手く拡散させることで、独特のフレアやゴーストを得られる様になるので、繰り返し撮影する事でコツを掴むと面白いこのオールドレンズならではの写真が楽しめるようになります。
【前期型・後期型モデルについて】
前回にも説明いたしましたが、「Super-Takumar 28mmF3.5」には大きく分けて、フィルター径が58mmの前期型(6群7枚構成)と、フィルター径が49mmの後期型(7群7枚構成)の、二つのモデルが存在します。
更に前期型モデルの中にも最小絞り値がf/22とf/16の2タイプがあります。
後期型では、Super-Multi-Coated Takumarの銘環を付けたスーパー・マルチ・コーティングが施されているレンズも生産されています。
この時代のSuper-Takumarシリーズでは、名称を同じくして短期間に構成変更されたレンズがたくさんあり、Super-Takumar 35mmF2も外観が一目瞭然に変更されていたり、Super-Takumar 50mmF1.4の様に、放射性物質を含んだトリウムガラスが用いられていた「アトム」レンズと呼ばれるレンズに構成を変更したりしています。
変更理由は定かではありませんが、フィルターなどのアクセサリーの共用化を目指したためと言われたりしていますが、個人的には、小型軽量のSPOTOMATIC SPに最適なレンズとして小型軽量化と更なる性能アップを目指してレンズの再設計に意欲的であった当時のPENTAXの意欲の表れであったのではないかと考えています。
参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=7bCPKywArjg
【製品概要】
ペンタックス28mmF3.5スーパーマルチコートタクマー(7群7枚)
最短撮影距離 0.4m
絞り羽根:5枚
重量:212g