MUUSEO SQUARE
他社比社(たしゃひしゃ)とは、独自の観点で新しい価値観の提案を表現する、アーティスト集団。またの名を漢字を全て分解して読む「イセネエヒヒネエ」と言う。モノにあふれた現代の文明消費社会をゆるやかに批判しながらも、あからさまに攻撃するような野暮な真似をせず、社会レベルから極めて個人的なレベルまで自由に視点を行き来させ、テーマを見い出し、それらを自社のコンテンツのフィルターを通して解釈し、企画・制作・出版している。
いま世界で進む商業芸術の再評価。「NANZUKA」が拡張した現代アートの文脈について
少年漫画の原画がルーブル美術館で展示され、「マンガも芸術なの?」と驚きの声があがったことがある。時代をさかのぼれば浮世絵も、日本人がその価値を見いだすより先に、外国人の目を通して評価され、名品の多くが海を渡った。渋谷にある現代アートのギャラリーNANZUKAは、田名網敬一や空山基など才能は認められていても、芸術としてみなされる機会がなかった作家の作品を、アートの文脈にのせ、世界に勝負を仕掛けている。NANZUKA代表の南塚真史氏は、どのような姿勢でアートと向き合うのか。現代アート・コレクター/大学教授の宮津大輔氏に話を聞いて頂いた。
アンディ・ウォーホル
プライマリー
村上隆
空山基
田名網敬一
谷内六郎
魔女コンサート
山口はるみ
マーク・ジェイコブス
現代アートコレクション400点、すべてが宝物。宮津大輔さんのコレクターとしての矜持
世の中には、さまざまなモノのコレクターがいる。しかし美術品、特に現代アートをコレクションするとなると、どことなく敷居の高さを感じてしまう人も多いようだ。それはひとえに「現代アートってよくわからない」からではないだろうか。そもそも現代アートとは何だろうか。絵画や彫刻ならただの「アート」でよいのに、そこに敢えて「現代」と付くのは何故か。そこで当連載企画では『What Is 現代アート!?』と題して、現代アートを取り巻くプレイヤーたちにお話を伺い、現代アートとは何か、それをコレクションするというのはどういうことか、について解き明かしていきたい。(モデレーター 深野一朗)
観るのと買うのは、世界が違う。笹川直子さんは、現代アートに育てられた
「みんなと同じでは、つまらない。違う道に進んでみたい」程度の差こそあれ、誰もが抱いたことのある感情ではないだろうか。しかし多くの場合、なんとなく右へならえに甘んじてしまう。実際に、みんなと違う一歩を踏み出せる人は、意外と少ない。その道を30年歩みつづけられる人は、もっと少ない。笹川直子さんは、「お気楽OLだった」と自身を振り返る1980年代のバブル期に、20歳で現代アートの道に足を踏みいれた。背中を押したのは、”へそ曲がり”な性格と好奇心。周りとは少し違うことがしたかったという。それから約30年がすぎ、今、笹川さんは会社経営者として忙しい毎日を過ごしている。その生活を送る傍らでは、変わらずにギャラリー通いをつづけ、現代アートのコレクションを楽しんでいるという。へそ曲がりや好奇心だけでは続かなかったであろう、現代アートの魅力とは?笹川さんに話を聞いた。
羊文学・塩塚モエカと観る近代日本の前衛写真(後編)
東京都写真美術館では、8月21日(日)まで「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」が開催されています。今回はオルタナティブ・ロックバンド「羊文学」のボーカル・ギターの塩塚モエカさんをお招きし、東京都写真美術館学芸員の藤村里美さんと展示を観ながら言葉を交わしました。日本の前衛写真は関西から広がったと言っても過言ではないのですが、その中心はアマチュア写真家が活動していたグループでした。アマチュアと言っても、単なる趣味を超えて海外の情報をいち早く取り入れて、新しく自由な表現を追求していた写真家たちの熱量が感じられたのではないでしょうか。後編では名古屋、福岡、東京の前衛写真を見て回ります。※こちらはTOPMuseum Podcast「#02ゲスト・トーク|塩塚モエカ(ミュージシャン)×藤村里美(学芸員)【アヴァンガルド勃興】(後編)」のトークを編集した記事です。
アートが押した感覚のスイッチ。変わったのは「ビルの谷間から見える景色」。
現代アート・コレクターの棟田響さんは、引っ越しを機に「新居の、あの壁を埋めたい」という思いから、最初の一点となる現代アート作品を購入した。しかし棟田さんが購入したのは青木野枝さんの立体作品。モデレーターの深野が、思わず「壁、埋まらないですよね!?」と切り込むと、棟田さんは笑って「なんか気に入ってしまって」と答えた。いい生活をしたい。その気持ちに素直に従い、コレクションという意識もなく集まった棟田さんの現代アート・コレクション。現代アートが、棟田さんの日常に与えたものとは?アート作品に溢れるご自宅で、お話を伺った。