セルフトート・アートとは?

セルフトート・アート(self-taught art)とは、self(自身で)taught(教える)という意味から、美大などでアカデミックな美術教育を受けず、独学によって制作されたアート作品のこと。
人生の中で何らかの大きな出来事・経験をきっかけに、これまで見向きもしなかったアートの世界に関心を持ち制作を始めたことにより、アートに対する切実感が非常に強いという特徴がある。制作を継続していないと自己の存在を保てないほどの強迫観念の中で作品が生まれることにより、作家と作品の間で強固な関係性が成立し、既存の規範にとらわれず、自由で斬新な発想や表現が作品上で展開されている。

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観るのと買うのは、世界が違う。笹川直子さんは、現代アートに育てられた

「みんなと同じでは、つまらない。違う道に進んでみたい」

程度の差こそあれ、誰もが抱いたことのある感情ではないだろうか。しかし多くの場合、なんとなく右へならえに甘んじてしまう。実際に、みんなと違う一歩を踏み出せる人は、意外と少ない。その道を30年歩みつづけられる人は、もっと少ない。

笹川直子さんは、「お気楽OLだった」と自身を振り返る1980年代のバブル期に、20歳で現代アートの道に足を踏みいれた。背中を押したのは、”へそ曲がり”な性格と好奇心。周りとは少し違うことがしたかったという。

それから約30年がすぎ、今、笹川さんは会社経営者として忙しい毎日を過ごしている。その生活を送る傍らでは、変わらずにギャラリー通いをつづけ、現代アートのコレクションを楽しんでいるという。へそ曲がりや好奇心だけでは続かなかったであろう、現代アートの魅力とは?笹川さんに話を聞いた。

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「You are what you "collect".」現代アート・コレクター深野一朗のコレクション観

現代アートは、時に読み解くことがむずかしい。現在進行形なだけに、美術史におけるはっきりとした評価が定まっていないことも多い。そんなアート作品を購入するコレクターさんは、何をみて、何を決め手にしているのだろう。

そこで現代アート・コレクターの深野一朗さんに、こんな質問をした。

‟身近な方がアート作品の購入を迷っていたら、どんなアドバイスをしますか?”

深野さんは「何もいえません」と笑った。

現代アートとの出会いから、作品購入時のチェックポイントまで、深野さんはなんでも具体的に答えてくれていたので、この反応は少し意外だった。しかし「何もいえない」の先にあったのは、あらゆるジャンルの純粋なコレクターほど、深く共感できるであろう、深野さんのコレクション観だった。

あなたなら、どんなアドバイスをしますか?あなたは、何を集めますか?

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羊文学・塩塚モエカと観る近代日本の前衛写真(前編)

東京都写真美術館では、8月21日(日)まで「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」が開催されています。

近代日本写真史における前衛写真は、海外から伝わってきたシュルレアリスムや抽象美術の影響を受け、1930年代から1940年代までの間に全国各地のアマチュア団体を中心に勃興した写真の潮流です。活動期間が短く、またピクトリアリズム写真やリアリズム写真といった潮流の間に位置することでこれまではあまり顧みられていませんでした。しかし、ここ数年福岡や名古屋をはじめとする各地の美術館により研究が進み、海外の展覧会でも展示される機会も増えています。

今回はオルタナティブ・ロックバンド「羊文学」ボーカル・ギターの塩塚モエカさんをお招きし、東京都写真美術館学芸員の藤村里美さんと展示を観ながら言葉を交わしました。新しい表現を模索した作家の足跡を、前衛写真を塩塚さんはどのように観たのでしょうか。

※こちらはTOPMuseum Podcast「#01ゲスト・トーク|塩塚モエカ(ミュージシャン)×藤村里美(学芸員)【アヴァンガルド勃興】(前編)」のトークを編集した記事です。

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フランシス真悟は情報飽和の現代アートシーンに一石を投じる

インターネットでどんな情報だって手に入る今、作品のイメージを見ただけで“何となくわかった気”になってしまうことはないだろうか?そんな現代のアートシーンに一石を投じているのが、アーティストのフランシス真悟さん。

これまでにアメリカやヨーロッパ、日本などで個展を開催し、「抽象と形態:何処までも顕れないもの」、「レイヤー・オブ・ネイチャー」、「Emergence: Art and the Incarnation of Space」など、多様なグループ展に参加。作品はJPモルガン・チェイス・アート・コレクション、森アーツセンターなどに所蔵されている。

彼が2017年より取り組むペインティングシリーズ『Interference』は、見る角度によって色合いが変わる。光によって変化する彼の作品はその時々によって変わる鑑賞者の心を映す鏡のようだ。幼少期からアーティストの両親のもとで育ち、常に芸術とともに生きてきた彼が考える現代アートとは?現代アート・コレクターの笹川直子さんがインタビューした。