たくさんの鉄道模型があるなかで、ファンの間でも注目度が高いものの一つに限定品がある。どれも実車をもとに忠実に再現された車両ばかり。今回は株式会社DDFさんが所有する貴重な限定車両を紹介してもらった。
KATO創業10周年記念 国鉄C62形蒸気機関車
KATO社創業10年を記念に作られた車両。正式名称はないが、この車両は市場で発売されず、挨拶用に得意先だけ進呈された記念品である。通常は蒸気機関車の黒い塗装のところがシルバー塗装となっており、またパッケージの箱には桐の素材が使われている。市場になかなか出回ることのない、大変希少価値の高いものだ。(KATO社製)
KATO20周年記念 EF58‐61&サロンエクスプレス東京
1983年に団体乗車客向けに欧風客車として登場した列車。実車は鉄道愛好者による鉄道友の会で、会員投票で1984年に第27回ブルーリボン賞を受賞。KATO20周年記念として限定発売された際は、EF58お召仕様(天皇皇后が使うために特別運行される車両)を含む5両セットで登場。写真の車両がそのお召仕様。(KATO社製)
鉄道模型N誕生 30周年記念 あさかぜ
KATO創業30周年記念に発売された鉄道模型車両。パッケージにあさかぜのイラストが施され、また記念バッジが同梱されたもの。実車は1956年から東京〜下関・博多間で運行していた日本初のブルートレイン(寝台特急)。2005年に廃止。あさかぜ登場後、数多くのブルートレインが登場し1970年代にはブルートレインブームが巻き起こった。(KATO社製)
キハ82系ANAビッグスニーカートレイン
元の車体名は札幌〜富良野間を結ぶ臨時特急「フラノエクスプレス」。1987年、全日本空輸(ANA)とのタイアップで全日空ツアー乗客向けに運行し、名前も「ANAビックスニーカートレイン」そして車体のカラーリングもANAカラーへとチェンジ。実車が約一年間運行された間にだけ発売された。(KATO社製)
東京ディズニーランド ウエスタンリバー鉄道 リオグランデ号運行記念
ウエスタンリバー鉄道とは東京ディズニーランド内にある、アトラクションの名称である。東京ディズニーランド内のみで販売された。当時はセットで15,000円だったが、現在では50,000円程まで価格が昇っている。同車体で赤、青、緑販売されたうちのこちらは緑。(TOMIX社製)
189系 さよなら特急 あさま
1966年〜1997年まで上野駅〜長野・直江津駅間を運行していた特急列車。北陸新幹線の登場により、運行区間の一部が閉鎖に。それに伴い在来線の189系あさまも愛称を新幹線に受け渡す形で使命を終えた。その最終仕様を模型化したもの。(KATO社製)
2100系 リゾート21
1985年、伊豆半島に沿って走る伊豆急行に登場した2100系 リゾート21。1986年に第29回ブルーリボン賞を獲得。受賞を記念して発売された鉄道模型車両だ。限定版と通常版と販売されたが、車両は同じものだったが、外箱のカラーがホワイトカラーだった(通常KATO製品はグリーンの箱)。(KATO社製)
165系 なのはな
1980年代後半に千葉エリアで活躍していた観光用のお座敷電車(座席が畳や掘りごたつなどの内装が和式に改良された列車)の初代「なのはな」。名前は千葉の県花から。1997年に2代目「ニューなのはな」へとバトンタッチし、運行終了。この鉄道模型は165系でもヘッドライトが大目玉(大きい)であることが特徴で、限定生産ではこの大目玉を表現した点もファンの心をつかんだ。(KATO社製)
165系さよなら急行 東海
「165系なのはな」と同じ165系の車体。東京から大垣(岐阜県)まで運行していた165系の急行型電車。新幹線の登場もあり運行が終了。運行終了記念としてKATOとJR東海の協賛で限定品として発売された鉄道模型車両。「急行東海」とデザインされたヘッドマークシールが同梱されており、購入者が好みでつけられるというものだった。(KATO社製)
ーおわりー
鉄道模型を一層楽しむために。編集部おすすめの書籍
懐かしいあの情景を手作りする
「鉄道模型」の教科書
記憶に残る鉄道のある情景を自分の手で再現する。Nゲージ鉄道模型のレイアウトを基本から解説した「基本講座」。本書オリジナルレイアウトを作る工程を詳説した「製作ガイド」。リアルな情景モデルづくりのコツをまとめた「応用講座」…。ジオラマ作りのすべてがわかる一冊!
世界最小! デスクトップのミニチュア鉄道
Zゲージパーフェクト入門(鉄道模型をはじめよう! シリーズ) (NEKO MOOK)
量産品で世界の模型メーカーがリリースする鉄道模型の中で、 各社共通のスケールとしては最小クラスのスケールと言われるのが1:220スケール、つまりZゲージです。
日本では2006年にプラスアップ社の手によりスタートし、7年の時間が経ちました。
その間何社か入れ替わりながら、現在大手4社によって車輌やレールが発売されています。
本誌は業界初めての入門本で、日本型Zゲージでの車輌、レールその他の周辺製品も含め1:220スケールを発売する各社の製品を横断的なカタログとして紹介し、鉄道模型のひとつの到達点であるレイアウト作品をはじめレイアウトプラン集など、既にZゲージを始めている人はもちろんこれから始める人も含め、全てのZゲージファンに送る必携本です!