パリ・オペラ座という世界最高の舞台で、華麗なパフォーマンスによって人々を魅了するバレエダンサーたち。その神話的とすら言える美しさをあますところなく写真にとらえた、ピエール=エリィ ド ピブラックの「In Situ」シリーズがシャネル・ネクサス・ホールにて展示されます。
ピエール=エリィ ド ピブラックについて
ピエール=エリィ ド ピブラックは、1983年生まれ。祖父は写真家のポール デ コードン。
2007年、最初の写真ルポルタージュをキューバとミャンマーで制作。2009年より写真家としての活動を本格化させ、2010年、ニューヨークに渡りドキュメンタリー・プロジェクト「American Showcase」に着手、2016年には8か月間キューバに暮らし、製糖業に生きるアズカレロスと呼ばれる人々を撮影し、社会学的・人類学的記録である「Desmemoria(忘却)」プロジェクトを実現しました。
2019年10月に写真集がEditions Xavier Barralより出版されました。
写真展「In Situ」
「Confidences」シリーズより ©Pierre-Elie de Pibrac, Agence Vu’
本展「In Situ」は、2013-2014年の2シーズンにかけてパリ・オペラ座のバレーダンサーたちに密着し、ステージとバックステージでの生活を共有しながら制作されました。
「In Situ」三部作のひとつ「Confidences」シリーズは、バックステージやリハーサル中に撮影した写真で構成されています。無音のカメラと特殊レンズを用いることで、彼はダンサーたちに近づき、生々しくストレートな情感あふれるイメージを創り上げました。
「Catharsis」シリーズより ©Pierre-Elie de Pibrac, Agence Vu’
また、三部作のうち、「Catharsis」と「Analogia」の2シリーズはともにラー作品となっていますが、それぞれ異なる観点とフォーマットで制作されています。
薄暗い照明の中で撮影された「Catharsis」は、ダンサーたちが放つエネルギッシュな動きが抽象的かつ絵画的に表現されています。壮観なガルニエ宮にダンサーたちが配置された「Analogia」は、まるで壮大な絵画のようです。
「Analogia」シリーズより ©Pierre-Elie de Pibrac, Agence Vu’
そして、本出展作ではアンジュラン プレルジョカージュ振り付けの『ル・パルク』やピナ バウシュの『オルフェオとエウリディーチェ』、勅使河原三郎の『闇は黒い馬を隠す』、ウェイン マクレガーの『感覚の解剖学』、モーリス ベジャールの『ボレロ』、ベンジャミン ミルピエによる『ダフニスとクロエ』等の名作を、パリ・オペラ座ダンサーたちによるパフォーマンス・シーンとして見れるのも、見所の一つと言えます。
作家ポートレート ©Gilles Djeraouane
「In Situ」シリーズは、ピエール=エリィ ド ピブラックの被写体に対する洞察と親密性を示すものであり、神話的華麗さに彩られたパリ・オペラ座バレエ団をとりまく環境を総合的に探ろうとする、彼の独創性の証でもあります。
開催概要
In Situ ピエール=エリィ ド ピブラック展
会期:2020年3月11日(水)~ 3月27日(日)会期中無休・入場無料
主催:シャネル合同会社
会場:シャネル・ネクサス・ホール
東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
開館時間:12:00~19:30
URL:https://chanelnexushall.jp/program/2020/operadeparis/
シャネル・ネクサス・ホール事務局 Tel:03-3779-4001
*本展覧会は2020年4月18日から5月17日まで開催されるKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭のプログラムとして巡回します。
http://www.kyotographie.jp/