TOWN CRAFT(タウンクラフト)とアメリカ、その強固な結びつき

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文/成田亘

アメリカに精通した古着屋のオーナーが、アメリカの空気感を反映したストア系ブランド「TOWN CRAFT(タウンクラフト)」について振り返る。

ストアブランドの代名詞、TOWN CRAFT(タウンクラフト)

TOWN CRAFTは1927年にアメリカの大手百貨チェーン「J.C.PENNEY(J.C.ペニー)」のプライベートブランドとして誕生しました。いまのセレクトショップのオリジナル商品のような位置付けです。

MuuseoSquareイメージ

当時のアメリカには小売チェーンが数多く存在しました。中でもMontgomery Ward(モンゴメリーワード)、Sears Roebuck(シアーズローバック)、J.C.ペニーは有名です。

J.C.ペニーは、James Cash Penney(ジェームス・キャッシュ・ペニー)が創業しました。ミズーリ州で育った彼は、1902年に前身である「The Golden Rule Store」を立ち上げます。The Golden Rule Storeは急成長。その後、社名を自らの名前を取り「J.C.Penney Company, Inc.」と改めます。

質とデザインが両立したアメリカの日常着

J.C.ペニーはBIG MAC(ビッグマック)やPAY DAYなど、TOWNCRAFT以外にもオリジナルのブランドを出しています。TOWNCRAFTは、上記の2ブランドとは方向性が異なります。

BIG MACやPAY DAYが比較的ワークウェアとしての機能性を重視し、縫製などの耐久性に力を入れている一方、TOWN CRAFTは装飾や柄など、様々なギミックが詰め込まれ作りとデザインが両立しているアイテムが多く揃っていました。

1950年代ごろのタグ

1950年代ごろのタグ

1950年代ごろのタグ

1950年代ごろのタグ

1960年代ごろのタグ

1960年代ごろのタグ

1960年代ごろのタグ

1960年代ごろのタグ

TOWN CRAFTには、数多くのタグが存在しており、タグを見ることによって大体の年代を判別することができる。1950年代になると、「PENNEY'S」という文字が入る。1960年代になると、「Penneys」と頭文字だけ大文字に変わる。1970年代に入ると、「JCpenneys」となる。

例えば柄や生地。ボーダーや幾何学模様が配され、トライバルな(民族的な)雰囲気があります。素材にもレーヨンやウールが使用され、ワーク系のブランドとは方向性を異にしています。50sフリークの間では、タウンクラフトの中でも特にコーデュロイのシャツは有名です。

ジェームス・キャッシュ・ペニーは96歳の長寿を全うし亡くなりますが、現在でも、J.C.ペニー社は全米でも1000を超える店舗を持ち発展し続けています。20世紀、アメリカの発展に貢献したブランドと言えるでしょう。

ーおわりー

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File

54BROKE

恵比寿・白金台・目黒駅から徒歩10分。東京都庭園美術館沿いの国道418号線の通りを一本入ったところにお店を構えるヴィンテージ古着屋。店内にはハワイアンシャツを中心にミリタリージャケット、ヴィンテージのデニムなどが並ぶ。成田さんがヴィンテージコレクターということもあり、現在では手に入らないような古着も扱う。店名54BROKEは「Go for Broke」と読む。その由来はアメリカ史上最強と名高い、日系アメリカ人による陸軍の部隊「442連隊」の標語から。「Go for broke」(一か八かだ当たって砕けろ、やってみなければ分からない)が、経営者である成田亘さんのチャレンジ精神旺盛な性格と合致し、その名が付けられた。

公開日:2019年5月15日

更新日:2022年2月24日

Contributor Profile

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成田亘

ヴィンテージ古着店「54BROKE」オーナー。根っからのヴィンテージコレクターで、好きが高じて2011年に店舗をOPEN。現在は恵比寿と白金台の間に店舗を構えている。古着の中でも特にハワイアンシャツを愛好しており、コレクターとして雑誌で取り上げられることも。ミリタリーや刺繍などにも造詣が深い。

終わりに

成田亘_image

タウンクラフトは50sファッションには欠かすことのできないブランドです。Vintageの雰囲気はもちろん、エルビスプレスリー、ジーンヴィンセントなどロカビリーミュージックの歌手の匂いがあります。

夏には、ハワイアン系のレ-ヨン、コットンシャツがおすすめです。

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