オランダ領東インド 2スタイバー銅貨

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19世紀初頭のオランダ領東インドで発行されました。当時のオランダはフランス革命の波及やナポレオンの侵攻を受けて混乱の最中にあり、貨幣を含む植民地経営に回す余力がありませんでした。そこでオランダが目をつけたのは、日本が輸出していた竿銅という、現在でいうところの銅インゴットでした。その竿銅を使いやすい大きさに切り、刻印を打って使うことにしました。このような経緯で発行されたのが、写真の2スタイバー切銅型銅貨となります。

ただし、余力のなかったオランダの実情を反映してか、この切銅型銅貨は規格化された貨幣とは程遠い存在でした。竿銅を文字通り雑に切って造られたため、より低額面の1スタイバー銅貨より小型軽量の2スタイバー銅貨が現れることも少なくなかったようです。更に、同じ2スタイバー銅貨でも物によっては2〜5倍もの重量差がみられます。

製造経緯から、歴史の混乱期を物語る一資料としての意義もある貨幣です。

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