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ヨコジュンのビックリハウス / 横田順彌《角川文庫》
角川文庫より1983年に発行された『ヨコジュンのビックリハウス』です。横田順彌/著、カバーイラスト/岸井勲、解説/森下一仁、文庫版373頁。自筆年譜収録。(双葉社より1980年に発行された同名著書の文庫化)
“無節操、ナンセンス、そして“馬鹿馬鹿”しさをのりこえてしまった“馬鹿馬鹿”しさ……この八方破れ、無双無敵のハチャハチャSFの世界とは……?
「ダジャレ診断Q&A」「ハナモゲラ対談」をはじめ、アメリカでの奇行珍談……etc、この一冊でハチャハチャSFの始祖・横田順彌の原点を知ることが出来る。
さて何が飛び出すか、日本初公開のユニーク・ビックリ文庫。”
横田順彌先生[1945-2019]は個人的にファンの作家で、日本SFのユーモアとかお笑いを代表する方だと思っています。ライフワークの古典SF研究や創作後半生の「天狗倶楽部」関係の明治バンカラ青春小説も良いですが、やはりハチャハチャSFの方に横田先生の本質があるように思えます。
横田先生作という洒落の“老婆は一日にして成らず”“まだらのひもの”とか、笑って呆れて感動してしまいます。
この『ヨコジュンのビックリハウス』は五部構成で、一「創作」二「ザ・ハチャハチャ」三「コラム・コラム」四「SF少年記」五「ぼくの亜米利加旅行」となっていて、横田先生の自伝的な一冊でもあります。
第二部「ザ・ハチャハチャ」“SF入門講座”より抜粋すると、
>SFのテーマ、《ミュータントテーマ》
>超能力を持った超人類とホモサピエンスの戦いを描いた作品が、このテーマの主流だ。
>シオドア・スタージョンの「人間以上」は、このテーマの最高作といえる。
> たちまち、そこにいる悪徳代官と悪徳商人をミュータントと見破った破れ傘刀舟は、腰の胴田貫をひきぬくと声を張りあげた。
> 「おめえらあ、人間じゃねぇや。たたき斬ってやる!!」
……ここら辺、思わず声に出して笑ってしまいました。
#日本SF #ハチャハチャSF #横田順彌 #角川文庫
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