シリア国鉄硬券乗車券 Tall Rifat(تل رفعت)からAfrin(عفرين)ゆき 2等 軍人用

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★狂乱の戦闘地域★

シリアのタルリファート駅で発行された硬券乗車券です。

上から券番、シリア国鉄、発駅、軍人、運賃、座席、着駅、2等、券番の順に記載されています。
軍人用の切符は赤斜線や黄土色(緑色も有り)を用いた派手なデザインが特徴です。
裏面は発行駅のスタンプが押されます。(鉄道むすめの下の褐色の券が当該です。)

発駅のタルリファート駅と着駅のアフリーン駅は2020年現在、恐らく世界で一番治安が悪い地域の一つと思われ、どちらの地名も内戦絡みの報道でしばしば登場し、タルリファートに至っては後にイスラム国の人質となってしまったジャーナリストが報ステで中継していた事もありました。現在もシリア政府軍配下の武装勢力(タルリファート市を支配)とトルコ軍配下の武装勢力(アフリーン市を支配)の間で戦闘が行われているようです。尚、アフリーン駅はトルコ軍から空爆されて破壊されたと耳にしています。

この切符は内戦勃発前の2001年に入手したものです。1日1往復しか運行されない路線の為、レンタカーを用いて訪問しました。当時はのんびりと旅を楽しむ事ができたのです。シリアの小さな駅の駅長さんは例外なく突然現れた異邦人である私に対して、温かい紅茶を淹れてもてなしてくれました。訪問中、数少ない列車に遭遇しましたが、切符を買い漁る"鉄ヲタ"はもちろんの事、この駅で乗り降りする客の姿すら見当たりませんでした。

以上の状況により、この切符は私が入手に絡んだもの以外は流通していない可能性があると思われます。

恐らく世界屈指の物騒な地域の切符と、日本の平和な切符が並んでいる光景は強烈な違和感を感じざるを得ませんが、いつの日かこの地にも平和が訪れ、この組み合わせにも違和感を感じない日が来る事を願ってやみません。

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