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空耳邦題の名作「マイコさん/フリートウッド・マック」
空耳で有名なブルース・マグース、とくれば、そこからのつながりで連想するのはやはりこれでしょう。『ゼン・プレイ・オン』が愛聴盤であるフリートウッド・マックの国内盤シングルです。1970年4月の発売。原題はComingYourWayですが、歌詞を聴いた当時のワールド・グルーブの担当ディレクター氏かな、大胆にも空耳マナーで「マイコさん」と邦題をつけ、ご覧のようなジャケットでリリース。快挙であります。こういう遊びがあるからこそ、当時の邦題の愉しさ・面白さがあると思います。カーワン・グリーン・スペンサーのトリプル・ギター時代、かれらはブルース・ロックから次第に脱却しつつあり、非常にユニークかつツカミどころのない笑サウンド構築期へ。「アルバトロス」などは「サン・キング」への影響を指摘されているし、個人的にはこのアルバムで俄然興味深いバンドへと変貌しました。(あとが続かなかったけど)裏面が「がらがらへび」というのも良い。外国ではこちらがA面扱いされたとか。1969年の、サイケなんだかブルースなんだかプログレなんだかブラスなんだかわからなくなってきた、なんでもアリの混沌とした状況が当時のフリートウッド・マックにもそのまま反映している、だからこそユニークで面白い、そんな作風のアルバムでした。実際に聴いていただくと、どこで「マイコさん」と聴こえるかは明白、シングル曲にしてはパッとしない単調で煮え切らない中途半端な曲調に聴こえるかもしれませんが、そここそがこの曲の魅力だと思います。https://www.youtube.com/watch?v=i4x9MjFQoA4