「何故か本出した何故かヒットした」の空耳でお馴染みブルース・マグース・本邦デビュー盤 『タバコ・ロード』

0

それ以前から何度も聴いてきた曲なのに全く気付くことなく、「空耳アワー」で流れた時には爆笑しました「恋する青春」のこの一節。ヴィダル・サスーンがヘアーデザインをしたというニューヨークのサイケデリック・ロック・バンドの全米で五位を記録した最大のヒット曲でした。勿論日本でもシングルは発売されていましたが、アルバムの方は、本邦独自のジャケットとタイトル、そして、セカンド・アルバムの『エレクトリック・コミック・ブック』からの楽曲とともに収録、つまり1stと2ndのダイジェスト2in1というコンセプトでリリースされたアルバムです。60年代当時は日本独自のジャケットに差し替えて発売するケースもあったし、わが国だけの編集によるコンピレイションも多々でていました。但し、二つのアルバムから選曲して、一枚のファースト・アルバムに仕立て上げたなんていうのは、あまり他に聞いたことがありません。オルガンをフィーチャーした所謂60'sガレージ・サイケの代表的なバンドで、「タバコ・ロード」や「グローリア」では混沌とした熱演を。バンドは四作目とラストの五作目で大幅なメンバーチェンジと全く異なる音楽性に転身、途中参加のエリック・ジャスティン・カズが主導権を握って凡庸なアメリカン・ロックを模索するもそこまで。つまりオリジナル・メンバー五人による三作目までが「ブルース・マグース」の本姿でしょう。後期・末期になり、メンバーも音楽も全く異なったりするもバンド名はそのまま、そんな例はプルーンズやブルー・チアー、チョコレート・ウォッチなどでお馴染みですが、そこもまた当時のシーンならではのいかがわしさ、うさん臭さがありますね。彼らの末期の姿を見て、もうこれは違うバンドだ。なんて言うのは簡単ですけれども、昔の名前で出ています状態をキープしないと商売上まずかった、まったく売れなかったけど、一応やってみたと。

Default